Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW)
そう言われた真倉は柏木の迫力にすっかり気圧されてしまいもはや一歩も動けない。
蛇に睨まれた蛙そのものだった。
「こ、の、くそ、刑事、がぁ!」
「あ、あああ・・・・」
柏木は完全にヒヨって動けない真倉の頭を掴み、
「この、くそ刑事、がぁぁぁああ!!!」
世にも恐ろしい顔で呪詛の言葉をはいた。
「き、きゃあああああ!!!」
真倉は女の子みたいな悲鳴を上げる。
「喰らえぃ!!」
そして柏木はそのまま毒料理を発生させる。
ぽん。
「うぇっ!?」
どさり。
しかし、その攻撃は実行されることはなかった。
発生したのは気の抜けた煙だけで、柏木は力尽きてそのまま倒れこんでしまった。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・」
真倉にとって世にも恐ろしすぎた数秒間。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・ぐす」
その顔は半泣き状態だった。
しかし自分の置かれている状況を確認すると、
「わ、わはは! 見たか。警察ナメンなっ!」
精一杯の虚勢をはった。
「かーーーーっ!!」
しかし、その言葉に起こされたかのように、柏木は再び断末魔を上げて目覚める。
「ぎゃーーーーっ!!」
ボクゥ!
真倉は完全に泣きながら (かなりヘナチョコではあるが)パンチを繰り出す。
「ぐへぇ!」
そのパンチをもらい柏木は完全に白目を剥く。
パシュッ!!
短い空気の抜けるような音とともに柏木の体からガイアメモリが放出された。
「うわあああんっ!!」
真倉は放出されたメモリのところまで走り、やっぱり泣きながらメモリを何度も踏み潰して壊す。そして、
「み、見たか。け、けけけ警察ナメンなっ! ぐすっ」
真倉はとんでもなくみっともない調子で虚勢をはった。
「・・・・・・」
ようやく足に力が入るようになった翔太郎は真倉の勝利宣言までの一部始終をみて、
「・・・・・・やれやれ」
安心したように呆れるように溜め息をついた。
作品名:Aに救いの手を_サイレント・キーパー(仮面ライダーW) 作家名:ケイス



