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ララァの言葉に俺はピキンッと固まった。
そうだった。
自宅スペースは壁をぶち抜いて、さしずめ倉庫の様にも見える間取り状態の一角にベッドを置いて就寝しているんだ。

「じゃあララァの…」
「女性の部屋に上がりこむ気はないな。失礼だろう?」
「恋人でもない殿方を自宅に招くほどスレていませんわ」

同時に否定の言葉を告げられて、俺は言葉を飲み込んだ。

「で、でもさ。この家の何処にシャアが休めるって?」
「このソファーで充分だが?」
「足やら何やら、大幅にはみ出すんですが…。それに、布団敷くにしても、サイズが…」
「ならば、君のベッドに一緒に寝させてもらえれば構わんよ。」
「「ええっ!?」」

飛び出した非常識発言に、ララァと俺はびっくりした。

「見たところ、随分と大きなベッドの様じゃないか。男二人で寝ても問題は無いと思うが?」
シャアの視線がクイーンサイズのベッドへと向けられた。
「はぁ? そりゃ、大きさ的には問題ないだろうけど、何処の世界に、男同士がひとつベッドに寝る事に問題が無いって思う奴がいるんだよ」
「ここに居るが?」
「あんたは例外!! 俺は嫌だからな! 第一、あのベッドにしたのはどれだけ寝返りうっても落ちないってのが気に入ったんだ。あんたが一緒に寝たら、俺が落ちてしまうだろ?」
「落ちないように抱き締めさせて頂こう」
「言い方丁寧だけど、言ってる内容が変だって、認識している??」
俺は、一向にかみ合わない内容に頭を掻き毟った。

「困ったわねぇ」
ララァも打開策が考えられなくて困惑している。
「あ〜〜。もう良い!! 俺がそのソファーで寝る!」
「それはまずい!」
ゆったりとしていたソファーから、シャアが慌てたように立ち上がった。
「何が!? 背丈が小さいから、ソファーでも眠れるよ。俺ならね。で、今後の寝床については追々考えるって事で、今日はお開きにしよう」
「アムロがそれで良いなら、私は何も言わないわ」
安楽椅子から立ち上がり、帰りの支度を始めたララァへ、シャアが慌てて振り返る。
「ララァ君。それはまずいと私は…」
「居候の意見は聞かないよ。一日二日の事なら問題ないし」
「そうね。その間にシャアさんの寝床を考えればいいんですものね。じゃ、私は今夜はこれで」
バッグを片手にして事務所スペースへと歩いていくララァに、俺はおつかれ様と言った。
「アムロもね。事務所の戸締りはいつも通りにして行くわ」
「悪いね。又明日」

さくさくと結論を出してしまった俺達に、シャアの方が戸惑い、突っ立っておろおろとしている。その表情を可愛いと思ってしまっている時点で、俺も大概におかしいんだろう。
「シャアのサイズの寝巻は無いからさ、バスローブでも着て寝てくれよ」
これまた、頂き物の中で使われなかったバスローブを引きずり出すと、シャアへと投げる。
「今が秋で良かったよ。あの屋敷でも汗かかないで済んだけど、夜もさほど冷え込まないからね。毛布一枚掛けるだけで充分寝られる。ほら。シャアはこっち」
俺は投げられたバスローブを手にして立ち尽くす大柄な男の背中を押して、ベッドの傍らへと誘導した。
「しかし、アムロ…」
もたもたと歩きながらも納得いかないシャアが背後にいる俺に振り返って言いかける。
「文句も異論も受け付けません。はい! おやすみなさい。又明日!!」
俺はそう言うと照明を消して回り、戸締りを確認してソファーに横になった。

正直寝られないかもと思っていたが、心身ともに疲れきっていたのだろう。俺はあっけなく眠りに落ちた。


翌朝に訪れる驚愕を思い描きもしないで
                      2011/08/11
作品名:A I 作家名:まお