The world make kaput <1章>
惨劇
ラウル:
「お疲れさん」
エリス:
「ぁ、お疲れ様でス」
ドスランポスが死んだのを確認してラウルは剥ぎ取りをしているが、エリスはさっきから横たわったドスランポスを見つめたまま動かない。
ラウル:
「…どうした?剥ぎ取らないのか?」
エリス:
「ぁ、いえ、なんでもないです~」
そう言った後、少し考えてからようやく動き出し、ドスランポスの首に刃を当てた。
…ザクッ
「よいしょ」
…ザクッザクッ
「うわっ」
…ブシュー
「んぉ~…おりゃぁっ!」
あまりにも切断できないのに腹を立てたのか、首に足をかけ真赤なトサカをおもっいきり引っ張った。
ブチッ
「取れたぁぁ!」
そう言ってやっととれたドスランポスの頭を高々と掲げた。
掲げたついでに切離したばかりの新鮮な首からあふれている大量の血を全身に浴びながら。
エリス:
「ラウルさん見て見て~これ被れると思いません?!」
無垢な少女の目はあまりに眩しかった…
ラウル:
「…あぁ」
エリスはまだ気付かない…
エリス:
「戦ってる時から考えてたんですけどぉ、中洗えば全然イケると思うんですよぉ。イゲさんに頼んでみようと思うんですぅ♪」
ラウル
「ぁぁ…」
まだ気付かない…
ラウルは呆れたような、哀れむような複雑な目をしていた。
そして、エリスは気付く。
自分の服がドスランポスの血に塗れている事に…
みるみる変わるエリスの顔。
目が点とはまさにこの事なんだろうな・・・そう、ラウルは思った。
「服がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
作品名:The world make kaput <1章> 作家名:ますたーど