The world make kaput <1章>
青年2
エリス:
「それじゃ準備してくるね~。」
そう言い残し、自分の家へと入っていくエリス。
ラウル:
「・・・それで、次は何をさせるつもりですか?」
観念したラウルが村長のほうを見ると、もう任せたと言わんばかりに、庭先にある木製のテーブルでお茶を飲みながらくつろいでいた。
村長:
「フガっそうじゃのぅ、魚釣りでもさせようかと思ったが、お主がおるならランポス討伐くらいかの…」
ラウルは、はぁ…と溜め息をつくとエリスが支度を終えて家からでてきた。
エリス:
「おまたせ~♪」
ラウル:
「…お前、その格好で行くのか…?」
ラウルが聞くと、エリスは何か変?といった感じで自分で自分を見回した。
エリスの格好は先程アプトノスを狩った時とさほど変わっていない。
変わったといえば着ていたTシャツが新しくなっているぐらいだ。
ラウルは聞きたくなかったがあることを聞いてみた…。
ラウル:
「エリス…」
エリス:
「はぃ?」
ラウル:
「防具は?」
エリス:
「無いっス」
ラウル:
「…お金は?」
エリス:
「無いっス」
ラウルは目眩を覚えた…。
ラウル:
「はぁ…防具、買ってやるよ…」
エリス:
「ぇー!ホントですかぁ?!」
ラウル:
「あぁ。但しあまり高い物は選ぶなよ?」
エリス:
「やった~ありがとぉぅ!」
エリスはぴょんぴょんと飛び跳ねながら武具屋へと向かった。
その後をトボトボと歩くラウル。
村長:
「ふぉーふぉっふぉっ…」
その姿を村長は笑いながら見ていた。
作品名:The world make kaput <1章> 作家名:ますたーど