華音の女王(アルエド+ハイウィン+オリキャラ)
「───これで、姉さんの嫁ぎ先…っていうか、婿養子の心配もなくなったわけですね」
「おめでとうございます姉上、これでぼくらも安心して、それぞれの家を継げます」
「ジーク、ユーリ、あなたたち…」
にこにこ笑顔を浮かべた弟たちが、私を腕に抱いたジェンドさんを見上げて深々と一礼する。
「「ふつつかな姉ですがよろしくお願いします、ジェンドさん」」
「…こちらこそよろしくお願いします、殿下達」
照れ笑いを浮かべるジェンドさんに、クロノスさんが珍しく表情を緩めて言う。
「おめでとうございます、ジェンド様。どうかエーデルハイト様を、幸せにして差し上げて下さい」
「ええ、そりゃあもう全力を尽くしますとも」
「姫様、良かったですな。末永くお幸せに」
「ラング様…ありがとう、ございます」
ぽんと肩を叩いてくれたラングさんに、私は泣き笑いの表情で返す。
「大事なボクらの娘をあげるんだからね。せいぜい国中から悔しがられると良いよ」
「アルフォンス様…まあその辺は覚悟してます」
「ああでも、あんたから”義母上”って呼ばれるのはなんだかヘンな感じね。あたしは今まで通りで良いわよ」
「そうさせてください、ハイデリヒ夫人。年下の方を”義母上”と呼ぶのはさすがにちょっと…」
「うお、そっか。そういや義理の息子になるんだもんな。うわージェンドに”義父上”って呼ばれんのかーオレ」
「僕もウィンリィ同様に、これまで通りに呼んでくださいね。義理の親が普通より倍の人数ですけど、よろしくお願いします、ジェンドさん」
「……陛下、ハイデリヒ侯爵…」
☆
翌日の朝議で、お父さまはラング様の引退と私への譲位、そして私とジェンドさんの結婚を発表した。
突然のことに皆驚きはしていたけれど、概ね承認は得ることが出来た。
「───よし、これで目先の心配事は全部片づいたわね」
「あとはエディの判断力と、クロノス殿達の手腕にかかってるかな」
「まあラッセルやフレッチャーも居てくれるし、あたし達もいるんだから。その辺は心配ないでしょ」
「そうだね」
母上が笑い、父上が隣で頷いて。
「楽しみにしてるよ、エーデルハイト」
「オマエはオレから受け継いだこの国を、どれだけ幸せにしてくれるんだろうな?」
お父さんが笑顔で、お父さまの肩を抱く。
「「「「見守っているよ、ずっとね」」」」
作品名:華音の女王(アルエド+ハイウィン+オリキャラ) 作家名:新澤やひろ