The world make kaput <2章>
エリス
プク~…
見事なまでに綺麗な楕円を描き膨らみ続けるソレは、表面積の限界をむかえ、弾けた
パチンッ
エリス:
「…ふぁ?」
目が覚めても起き上がろうとせず、ぼや~っとしていると声をかけられた。
アキ:
「ニャ~起きたかニャァ」
エリス:
「あ、おはようアキ」
アキ:
「おはようニャァ♪さっきラウルが来て昼までには戻るって言って出掛けたニャ」
エリス:
「えー!私置いてけぼりー?」
アキ:
「エリスがこんなに早く起きるとは思わなかったニャー。眠くないのかニャ?」
エリス:
「ん~眠くはないけどぉ…」
…グゥゥ~…
エリス:
「えへへ」
アキ:
「エリスらしいニャ~すぐ用意できるから顔でも洗ってくるといいニャ♪」
ケタケタと笑うと台所に向かって歩き出した。
エリスも顔を洗うため裏に流れる小川へと向かった。
エリスが戻ってくる頃には良い匂いが漂っており、アキがパタパタと走り回っていた。
アキ:
「お待たせニャー!今日のメニューは頑固パンと猛牛バターにドッカンスープだニャ♪」
エリス:
「ありがとう♪んじゃ、いっただきま~す♪」
ガブリ…ギチギチッ…
頑固パンに猛牛バターを塗ってかぶりつくエリス。
名前のとおり頑固な堅さに苦戦しながらもなんとか噛み切る。
エリス:
「もぐもぐ…ん~、でもラウルさん帰ってくるまで暇だぁ~もぐもぐ」
アキ:
「それニャらエリスもクエストに行けばいいニャー。簡単なものなら1人でも行けるんじゃないのかニャ?」
アキはドッカンスープにフーフーと息をかけ冷ますのに必死みたいだった。
エリス:
「もきゅもきゅ…う~ん、そうしてみよっかな♪ごくん」
そう決めるとドッカンスープを一気に飲干し、
「ごちそうさま♪」
と言ってパパッとポーチに道具を詰めてドスバイトダガーを手に取った。
エリス:
「んじゃ、行ってくるね♪」
アキの方に向いてパタパタと手を振るエリス
アキ:
「気を付けていってくるニャ~♪」
バタン…と扉の閉まる音がして1人になったアキは…未だスープと格闘していた。
「ニャー…熱く作りすぎたニャ…」
作品名:The world make kaput <2章> 作家名:ますたーど