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ますたーど
ますたーど
novelistID. 46067
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The world make kaput <2章>

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エリス6



衝撃で土埃が舞う中、カジキマグロが突き刺さったすぐ横に男が着地する。

???
「これだけやって傷ひとつ付かないとはな・・・」
男はカジキマグロの尾ヒレを掴み、地面から引っこ抜いてエリスの方に向き直る。

???
「ほら、これやるよ。肉のお礼だ」

エリス:
「うひゃー、おじさん凄いね!空中でぱぱぱーって動いてたよ!?」
エリスが目をらんらんと輝かせながら男に駆け寄る。

???
「そりゃあまぁ俺は、あ…そ、そういえば君はどこのギルドから来たんだ?」
男は何かを言いかけて、話を変えるようにエリスに聞き返した。

エリス:
「ギルド?私はおじいちゃんから依頼を受けたんだよ」

???
「へぇ、じゃあ近くに村か街があるんだね。よかった…できれば案内してもらえるかい?」

エリス:
「いいよー。じゃあ、お魚のお礼にお家でご飯食べさせてあげるね!作るのはアキっていうアイルーだけど♪」

???
「ところで、君が住んでいる所の名前はなんだい?」

エリス:
「ココット村だよ。私はよく知らないんだけど、けっこう有名な村なんでしょ?」

???
「!?」
男はココット村の名前を聞いて体を硬直させたかと思うと、急にどもりはじめた。

???
「あ、いやぁ…ココット村か…そうかぁ。あー、すまん!さらばだ!!」

エリス:
「えっ、ちょ…っと…」
言うが早いか、男は背を向けて走り出してしまった。
かと思うと急に引き返してエリスの両肩に手を乗せる。
よくよく見れば、汚れてはいるがなかなか整った顔立ちをしているようで、エリスはしばし魅入ってしまった。

???
「肉、うまかったよ。ありがとう。それから、俺は、まだ、10代だ!」
最後を強調すると、じゃあな、と言って走り去ってしまった。
少し待ってみたが、今度は帰ってはこなかった。

エリス:
「行っちゃったね。どうしよっか、チャッキー」

チャッキー:
「ンキャッ」
問いかけられたチャッキーは好きにしてくれ、と言う様に小剣を頭上にかかげ、ぐるぐると振り回した。

エリス:
「んー、サシミウオよりイイモノ手に入れたし、帰ろう!」
エリスは決してメンドウクサイって思っている訳ではないのだと自分に言い聞かせて、チャッキーにもカジキマグロを持つようにうながす。

協議(一方的に)をした結果、エリスが尾を肩に担ぎ、チャッキーが頭を支える形になった。

チャッキー:
「…ン、ギャ…ッキャァ……」
今にも潰れそうなチャッキーをよそに、さぁ帰るぞ!と歩き出すエリス。
案の定チャッキーは早々にずっこけ、エリスが一人カジキマグロを引きずる事になった。

ズリズリズリ…

カジキマグロの鼻を引きずらせながら、二人は森丘のキャンプをあとにした。