機動戦士ガンダムRS 第26話 キラ
ずっと心配してたにもかかわらず再会してみたら地球軍のパイロットになっててかっとなって殴りかかってきたらしい」
キラは、カガリが殴りかかってきた経緯を話した。
「それに名前を聞いてきたのは、向こうのほうだよ」
キラは、自分が名前を聞いたわけではないと否定した。
「そうか。
たまたま助けた女の子がお姫様でずっとその子に心配をさせていたんだけど久しぶりに再会したらその子の心を裏切るような事をしてしまって殴られそうになった。
でもお互い心の整理をして謝ったって事か。
この先の展開が楽しみだな」
アスランは、笑顔でキラの未来を楽しみにしていた。
「だからどうしてそういう発想に走るかな?」
キラは、アスランの発想の方向性に困り果てていた。
※
軍本部ではカズイ、サイ、トールとミリアリアが両親との面会室に来た。
そこには、皆の両親がいた。
4人は、それぞれの両親の許に行き再会を喜んだ。
※
アークエンジェルでは、両親との面会を拒否したフレイ二等兵が備品の整理を行っていた。
キラは、自室でぼうっとしながらM1アストレイのOSの調整を行っていた。
※
トールたちは、久しぶりの両親と楽しい時間をすごしていた。
※
フレイは、備品の整理を終え通路を歩いていた。
通りかかった食堂には、モルゲンレーテの整備員が一休みしていた。
次に下士官部屋を通りかかったが誰もいなかった。
誰もいないとやはり寂しい。
フレイは、ため息をついてキラの部屋に行った。
フレイは、キラの部屋に入った。
「お疲れ」
フレイは、キラが両親に会いに行ったと思っていたので声を掛けられ驚いた。
トリィは、キラの頭に乗った。
キラは、迷惑そうだった。
「どうして両親に会いに行かなかったの?」
フレイは、不思議そうにキラに質問した。
「そういうフレイこそどうして両親に会いに行かなかったの?」
キラは、作業をやめてフレイに向き合って質問した。
「私は、ママを幼いときに亡くしてパパとはあまり仲がいいほうじゃないから面会を拒否したの。
昨日だって私が地球軍に志願した理由がサイが志願した理由だと突き止めてアーガイル家に電話で怒鳴りつけたのよ。
その後サイのご両親に謝罪して大変だったんだから」
フレイは、昨日あったいやなことを思い出したのか不機嫌っぽく言った。
キラは、その姿がおかしく失笑してしまった。
「何笑ってるのよ。
本当に大変だったんだから」
フレイは、そんなキラの姿に頭にきて怒った。
「ごめん、ごめん。
でもフレイのお父さんの気持ちもわかるな」
キラは、ある程度フレイの父親の行為にも理解できた。
「どういうことよ?」
フレイは、キラの言っていることがわからなかった。
「フレイのお父さんは、フレイのことがかわいくてかわいくて仕方ないんだよ。
だからアーガイル事務次官なんかにも平気で怒鳴りつけられるんだと思う」
キラは、フレイの父親の行為にも理解できたことを話した。
「わかってるわよ、そのくらい。
でも実際されたらすごい迷惑でしょ」
フレイは、キラに詰め寄りながら言った。
「そ、そうだね」
キラは、フレイの気迫と実際されたときのことを考え賛成しかできなかった。
「それでキラは、どうして両親に会いに行かなかったの?」
それで話が終わりそうだったがフレイは、キラが両親に会わなかった理由を問い詰めた。
「まさかキラも両親と仲が悪いの?」
フレイは、キラを仲間と思った。
「違うよ。
両親とは、仲が良いけど今会うと言いそうで嫌なんだよ」
キラは、両親とは会いたくない理由を言った。
「何を?」
しかし肝心なところがわからなかった。
「なんでスーパーコーディネイターの僕を育てたのって」
キラの表情は、苦悩で満ちていた。
「そう。
自分の出生で結構悩んで元気がないのね」
フレイは、すべてを悟ったように言った。
「私が元気が出るおまじないを言ってあげようか?」
フレイは、元気よく言った。
「おまじない?」
キラは、半信半疑に聞いた。
「『ヤマト少尉は、出世のことで深く思い悩んでいます』ってフラガ少佐に報告するの」
「ありがとうございます、アルスター二等兵。
自分は、元気が出てきました」
フレイがおまじないの正体を言った瞬間キラは、立ち上がり敬礼し礼を言った。
フレイは、その姿がおかしくて仕方なかった。
「じゃあ私は、また艦内を見回ってるから何かあったら声をかけて」
フレイは、そういうとキラの部屋を出た。
「了解であります」
キラは、敬礼したままその姿を見送った。
キラは、フレイが去るとため息をつきいすに座り作業を再開した。
(二度とランニングなんかするか)
キラは、悪夢のランニング地獄を思い出し鳥肌が立った。
※
トールたちは、面会時間が終わり両親と別れを惜しんでいた。
両親たちは、いつ再び会えるのかどうして自分の子が戦わなくてはならないのか問いかけていた。
しかし中には、子の意見を尊重する親もいた。
※
モビルスーツテスト場では、M1アストレイがキラ少尉が開発した新型OSによって同一機とは思えない俊敏な動きで動いていた。
マユラ、ジュリ、ニコル中尉とモビルスーツテスト司令室にいた人々が驚いていた。
「すごい」
早速新型OSを搭載したM1アストレイを操縦したアサギがその操縦性の変化に驚いていた。
「新しい量子サブルーチンを構築してシナプス融合の代謝速度を40%向上させ一般的なコーディネイターの神経接合に適合するようイオンポンプの分子構造を書き換えました」
キラ少尉は、自分が何をやったのか教えた。
「よくそんなことをこんな短時間で。
すごいわね、ほんと」
エリカは、キラ少尉に感心しっぱなしだった。
「僕らの機体にもあのOSを搭載すればもっと速く動けます?」
ニコル中尉は、キラ少尉に質問した。
「いいえ、このOSはあくまで素人向けなので玄人である中尉などには役不足です」
キラ少尉がOSが誰向けなのか話した。
「アサギ、あがって良いわよ」
「はい」
アサギは、エリカの命令どおりモビルスーツテスト場を後にした。
キラ少尉、ニコル中尉、マユラ、ジュリ、アサギとエリカはモビルスーツテスト司令室を後にした。
「じゃあ僕は、ストライクの方へ行きますから」
「僕は、アークエンジェルに戻ってます」
「はい、ではまた後ほど」
キラ少尉とニコル中尉は、皆に一礼して分かれた。
キラ少尉がストライクガンダムのほうへ行く途中アスハ前代表にあった。
「キラ・ヤマト君かな?」
アスハ前代表は、キラのことを確認した。
「はい」
キラは、正直に答えた。
「ウズミ・ナラ・アスハだ。
昨日君を殴りつけようとしたバカ娘の一応の父だ」
アスハ前代表は、自己紹介をした。
「どのようなご用件で」
キラは、正直アスハ前代表に面会されるようなことはしていないと考えていた。
「カガリは、昨日のことは謝りに来たか?」
キラは、やっとアスハ前代表が会いに来た理由がわかった。
「はい」
作品名:機動戦士ガンダムRS 第26話 キラ 作家名:久世秀一