【ゲットバッカーズ】人狼ごっこ
蛮「さて、どうしたもんかな」
笑師「狼は二人。俺らは五人。なんやそんなに難しないんちゃいまっか」
俊樹「油断は禁物だと思うが。そこからどんな失敗をするかわからんぞ」
十兵衛「…占いCO。美堂は人間だ」
笑師「あー!なんや十兵衛はん、俺も占い師や!銀次はんは人間やで!」
銀次「CO?そしていきなり占い師二人???」
マクベス「COはカミングアウト。自分は○○だって告白することです。…が、さっそくやってくれましたね。多分どちらかが狂人だと思いますが」
銀次「そうなの?」
マクベス「狼は二人です、ヘタに複数能力者アピールをすればローラーされてしまいますから今回は役職騙りはしないでしょう。するとしたら狂人が狼に自分は狂人だというアピールと、人狼の処刑機会を減らす為の騙りではないかと」
銀次「そっかー、しないんだ」
俊樹「それで、二人とも。占い対象を選んだ理由を教えてくれ」
十兵衛「やっかいだからだ」
蛮「おい」
笑師「俺もや。けど美堂はんは多分人を騙すときムッチャ生き生きすると思うてな、逆にほっといてもええかなって。銀次はんは読めんわ。こういうときどういう行動する人かさっぱり読めん。だから占ったんや」
花月「確かに、人を騙している美堂君は輝いていそうだ」
蛮「お前ら…」
マクベス「で、二人とも白判定」
十兵衛「残念なことにな」
蛮「だからおい」
銀次「どうするの?二人とも順番に処刑になるの?」
笑師「もうちょっと話し合いをしてえな!?」
俊樹「いや、だがこの占い師の中からまず処刑しないとまずいだろう。村に七人、その中に人狼と狂人。味方は四人しかいないのだ。今回グレランはできない」
十兵衛「俺は本物だ」
笑師「十兵衛はん、毎度毎度もうちょっと喋ってえな!そんなんだからあんたいつもグレラントップバッターなんやで!?」
十兵衛「ぬ…。だが俺は本物だ。そして俺の占った美堂も人間だ」
笑師「そんなん俺かて本物や!そんで銀次はんも絶対に人間やで!」
蛮「だがよー、ちょっとなあ。ドリフお前ぇのCO胡散臭すぎだぜ?あ、占い師騙ろう思てたのにタイミング逃したわ!みてーなよ。いっそ黙ってた方が良かったんじゃねーの。そんで霊能者騙りに変更でよ」
笑師「な、な、何を言うんや!?俺は本物の占い師でっせ!確かにタイミング逃したわ思うたけど、COタイミング出遅れたー!てだけやで!騙りに先に出られたらそりゃ誰かて焦るやろ!?」
銀次「笑師、笑師、落ち着いて!俺は笑師の味方だから!」
笑師「うう、銀次はん~」
マクベス「うーん、確かに笑師の出方は怪しいんだよね」
花月「そうですね、初めからその役職についていた、というよりは初めからその役職を騙るつもりだった、としか」
笑師「マクベスはんに花月はんまで!?」
俊樹「見苦しいぞ笑師。情に訴えるなど笑止千万、理屈で身の潔白をしめさんか」
蛮「そういや霊能者はどうすんだ?明日まで伏せとくか?俺としても出ねー方がいいかとは思うんだが」
銀次「なんで?」
マクベス「狩人の為ですね。現在の段階では占い師どちらかを処刑する方向なのは免れませんが、僕たちはこのまま残った方を真と仮定してみていくでしょう。この段階で霊能者に出てこられても護衛対象が増えてしまうし、人狼に目をつけられるだけでいいことはありません」
銀次「んー、じゃあとにかく霊能者は今は黙って明日言えばいいんだね?」
マクベス「そうなりますが…銀次さん?」
銀次「なあに?マクベス」
蛮「お前ちょっと黙ってろ」
俊樹「いや、黙っていたらダメだろう」
花月「銀次さんのいいところですしね」
蛮「ゲームになら無ぇだろうが」
十兵衛「とにかく俺は本物だ」
笑師「俺かて本物や!」
マクベス「…とりあえず採決をとろうか。今日、誰を処刑しよう?」
美堂蛮→笑師春樹
天野銀次→わかんない
マクベス→笑師春樹
風鳥院花月→笑師春樹
筧十兵衛→笑師春樹
雨流俊樹→笑師春樹
笑師春樹→筧十兵衛
マクベス「銀次さん…」
銀次「え」
蛮「え、じゃねえ、棄権と自分投票は無しなんだっつーの!」
銀次「痛い痛い痛い、蛮ちゃん痛い!知らなかったんだよー!!」
蛮「誰を処刑しよう?ってーのにわかりませんじゃねーだろ!?」
マクベス「ま…まあ確かに僕も言ってませんでしたからその辺で…」
蛮「ったくよー、で、誰にすんだ?」
銀次「え?んー、…じゃあ蛮ちゃんと一緒で」
笑師「銀次はああああああん!?」
銀次「…え?あ!」
蛮「まーここで銀次が他に入れようとお前ぇ処刑確定なんだ、諦めろや」
笑師「うううう、あんまりやあ」
笑師春樹が処刑されました
~二日目~
美堂蛮が無残な姿で発見されました
俊樹「…なんというか」
十兵衛「うむ…」
銀次「はい、俺霊能者!笑師は人間だよ」
マクベス「銀次さん!?」
十兵衛「どうしたマクベス」
マクベス「…霊能CO。笑師は人間です」
花月「マクベス!?」
俊樹「マクベス、何を言うんだ」
銀次「あれ、マクベスも霊能者?」
花月「も、じゃありませんよ銀次さん。お二人のどちらかが狂人、もしくは人狼です」
十兵衛「そして占いの結果だ、雨流は人間だぞ」
花月「…なんで…雨流?」
十兵衛「それほど目立った弁も無かったしな。奴の事だ、ヘタにしゃべるとぼろが出ると控えていたのかと」
銀次「でもそれで言ったらカヅっちゃんもあんまり喋って無かったよ?」
十兵衛「ぬ」
マクベス「…十兵衛、無意識に花月君を対象から外すのはやめてくれと言っているだろう?」
十兵衛「うぬぬ」
銀次「えっと…今日ははどうしよう?」
マクベス「今日は確実に人狼を処刑しないといけません」
銀次「そうなの?」
花月「はい、現在村には人狼も含めて五人です。今日、人狼以外の誰かを処刑してしまうと残りが人狼二人に村人二人。つまり…」
銀次「あ、人数が同じでもダメだっけ」
十兵衛「人狼が人狼を襲う事はできない。俺の占いでも美堂は人間だったが、これで美堂の白は確定だな。それから霊能二人から人間だと言われた笑師も人間だろう。俺が本物の占い師である以上、奴は狂人のはずだが、そこまでは状況証拠がそろっているだけで確定ではない。ただはっきりしていることは結局五人の中に二人、人狼がいる。という事だ」
俊樹「だが雷帝が霊能者なのは昨日の時点で出ていただろう」
花月「まあ…とても怪しかったけどね」
十兵衛「マクベスはなぜ後出しCOなどしたのだ」
マクベス「なぜと言われると…出遅れた、としか言いようがないけどね」
花月「らしくないといえばらしくないよね。ゲームを盛り上げようと思ったのかな?」
マクベス「…花月君は僕を完全に人狼だと断定しているように見えるけど根拠はなにかな」
花月「断定なんてしていないよ。ただ占い師二人に続いて霊能者二人なんて場が混乱するばかりじゃないか」
マクベス「そうかな?混乱するような事でもないんじゃないかと思うよ。それよりも昨日はほとんど静観状態だった君が今日になって急に饒舌にしかも僕を人狼扱いなんてするから混乱するんじゃないのかな。花月君、君はいったいなんなんだい?」
作品名:【ゲットバッカーズ】人狼ごっこ 作家名:安倍津江