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【カイリン】十四歳の亡霊

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永遠とも一瞬とも思える時間が過ぎ、玄関で鍵を開ける音がする。リンが顔を上げると同時に、カイトの声が聞こえた。

「ただーいまー。おやつ買ってきたよー」

がさがさぱたぱたと音が聞こえ、毛布の隙間から覗いているリンの前に、カイトが膝をついた。

「どしたん?」
「なっ、何でもない!」

カイトに見られないよう、リンは慌てて毛布を被り直す。

「どーしたー。俺がいなくて寂しかった?」
「なわけねーだろ!」
「よしよし、もう大丈夫だからね。大福買ってきたから、一緒に食べよ?」
「うっさい馬鹿!!」
「ぶっ!」

カイトの顔面に毛布を叩きつけると、急いで洗面所に駆け込んだ。ばしゃばしゃと乱暴に顔を洗い、タオルでこする。

「お茶入れてあげるからさー、機嫌直してよー」
「うっせー! 話掛けんな!」

安堵感からまた泣きそうになるのを、リンは必死に堪えた。