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【かいねこ】クレイジーガールの恋愛衝動

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アパートに戻ると、カイトはマスクを外して、いろはと対戦していいか聞く。

「んあ? 好きにすれば?」

リーキがそう返すと、カイトは自分の首筋を指差しながら、

「では、調整をお願いします、マスター」

リーキは目を丸くするが、直ぐに「分かった」と言いながら、手を伸ばす。

「このところ連戦だったからな・・・・・・おや、これは何だ?」

リーキは盗聴機の向こうにいる相手に聞こえるよう声を上げながら、襟首に仕掛けられていた盗聴機をつまみ上げ、握りつぶした。

「お前、スパイされてたみたいだなあ?」
「もうねーよ、おっさん」
「酷い! 念には念を入れろって、いつも言ってるじゃない!」

さめざめと泣き真似をしてみるも、カイトは溜め息をついてベッドに腰掛ける。

「わざとらしい」
「うるせー。表彰物の演技だろうが」




クランベリーは、カイトに関する調査報告に、目を通していた。
リーキがカイトを拾ってきたのは五年前。その前の所有者は何度もカイトを修理に出し、最後は硫酸で顔を焼いて捨てたようだ。
ここからしばらくカイトの足取りは消えるが、五年前のある晩、今回のように潜入捜査中のリーキと出会い、彼と行動を共にするようになる。
リーキはカイトの顔を修理させたようだが、バグが取りきれず、髪は褪せ、目は赤く変色した。

将軍がマスクを外さないのは、それが関係しているのかもな。

クランベリーはページをめくりながら、考える。

付け入る隙はないようだ・・・・・・が、所詮は機械。
クズの捜査官を相手にするよりは、簡単だろう。

一旦報告書を置き、目の間を指で揉みながら、考えを巡らせる。

そう、打つ手はある。相手が機械ならば。