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【かいねこ】クレイジーガールの恋愛衝動

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「ただーいまー」

リーキがアパートに帰りつくと、マスクを外したカイトがベッドで書類に目を通している。

「お帰りなさい」

リーキは上着を放り投げると、ネクタイをゆるめ、椅子に沈み込んだ。

「まー、やっぱり怪しいところはねーわ。改造禁止、武器の使用禁止、ヒト型の登録は禁止、あれもこれも禁止。入場料の他に、好きなロボットのチケットを買って、そいつが勝ったら入場料分キャッシュバック。ありゃ、賭というよりショー目的だな。明るく健全な娯楽だわ」
「はあ、そうですか。報告書の通りですね」

さらっと言われ、リーキは体を起こす。

「え?」
「え?」
「報告書って何よ」
「これです」

カイトが、手の中の書類を振った。

「はあ? 何それ。そんなもんあるなら、先に言えよ。無駄足になっただろうが」
「はあ、そうですか。いつも『文字になった出来事なんて信用できん。実際に自分の目で見ないとな』と、言ってますよね?」
「・・・・・・・・・・・・」
「言ってますよね?」
「・・・・・・言ってました」
「俺が説明しても、結局は自分で見に行きますよね?」
「・・・・・・はい」
「ぐだぐだぬかしてんじゃねえよ。絞めるぞ?」
「・・・・・・すみませんでした」

カイトは、再び書類に目を落とす。

「それで? 地下のほうはどうでした?」
「えー。どうせそれも書いてあ」
「あ?」
「あっ! えーっと、地下の闘技場は表と真逆で、なんでもありですね。かなりエグい改造がまかり通ってて、動く金も相当高額らしい。ヒト型の登録も出来るが、これは一方的な処刑状態らしいな」
「ああ、そういうのエロゲで見ました」
「エロゲじゃねーよ」
「俺も出てみたいです」

その言葉に、リーキはにやっと笑った。

「そうだと思って、登録しておいた。対戦は今夜だ」
「それで、公開処刑されたりするんですか。エロゲみたいに」
「エロゲから離れろ」
「マスターが持ってるエロゲみたいに」
「持ってません!」