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となりの桂くん(銀魂・高桂)

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「そうだ。お前よりも一つ大人だ。ちなみに俺はきちんと日本の法律を遵守しているから酒は甘酒しか飲んだことはないぞ、誰かと違って」

とドヤ顔で言うのだが無性にイラっとした。

「同じじゃねぇかよ、18も19も。」

桂に結局のところ介抱されたのでこれ以上はいえないが、やられたままでは気がすまない。

「お前、今まで女と付き合ったこと、ある?」

こういってはなんだが、俺は桂よりももてるだろうと多少は確信していたし、多分桂は「ない」と言うだろうと思っていた。

その勢いで「お前、筆おろしってやつはいつなんだよ。」というのも聞いてやろうと思った。

それもきっと桂は怒りながら「そんなのあるわけないだろう!!」というだろうと思っていたのだ。

しかし意外な答えが返ってきた。


「うそ、お前、そんなに経験があったのかよ!!」

なんとも意外な答えが返ってきたのだ。


「まぁ、そんな自慢できるほどのものでもないのだ…。」

顔を赤くしてニコニコしている。人は見かけによらないのか…?

「けっこういいところまでいくのだが、いつもこう、邪魔が入ってな…。」

感慨深く言うではないか。俺は興味がわいたので話をするように促した。

「まぁ、聞け。いいところまでいった話をすると、俺の初恋は9歳のころに近所に住んでいたスミスさんだったのだ。金髪碧眼で、陰のある美人だった。」

「はぁ…。ブロンド美人ってやつか。おめぇも隅に置けねぇな。」

「しかし、いざアタックしたら『ぼうやにはまだ早いわよ』と笑われてしまったのだ。見たらスミスさんには既に男がいたのだ。」

「惜しかったな。ということはスミスさんっていうのは年上だったのか?」

「まぁな。その次に惚れたのは14歳のころのヤマモトさんという人でだな。けっこういいところまでいったのだが、旦那にばれて破局した。おまけに俺と同じ歳の息子までいるというのだ」

「だ、旦那?!」

「あぁ、そうだ。それで日本に戻ってきたんだが、周りにいる女はまだまだ乳臭くて面白くなかった。確かに見た目はかわいいんだが、誰かのものを自分のものにするという、あのドキドキハラハラ感というかスリルがないのだ。
恋愛はスリルがあってなんぼだというのに」

はぁー…とため息をついた。


(「はぁー」じゃねぇよ!!)

年上というので、せいぜい2,3歳くらいだと思って聞いていたら、どうも一回りくらい違うのではないか。

初心で女とは無縁だと思っていた桂が別の意味でやり手だと知り、俺はフライパンで頭を叩かれた気分だった。



さて。

合コンに行って玉砕して酒を飲んで泥酔するわ、桂に下らない話をもちかけて逆に返り討ちに遭うわで入学当初に馬鹿にしていたハッチャけた大学生にまっしぐらではないかと言われそうだが。

俺も俺なりに学生生活をまじめに送らないといけないとは思っていた。

何よりも教職課程の選択必修の講義の中で、教育史の先生に

「昨今の日本の大学生はパンツを履いたサルだ」「大学は一大レジャーランド」

という内容で授業を展開されたときには、身につまされる思いのあまり、俺は違うぞ!絶対に違うからな!!と必死に否定したものだ。

とはいえ大学卒業後の進路はどうしたいのかといわれたら、あまりよくはわからず、夕食のときに

「卒業したら教員になろうと思う。」と桂に言ったら、

「そんなに早く進路を決めなくていいんじゃないか?」

と言われた。

「お前、何も考えてないの?」

「俺は動物が好きだから動物に関わる仕事したい。それに」

「それに?」

「スイスに戻りたいなと思ってる。」


俺はうっかり箸を落とした。



それから数日後


俺と桂は頭をつき合わせて悩んでいた。

ガス代、水道代、光熱費、家賃もろもろをひくと、二人合わせて1万円もなかったということが判明した。

次の仕送りまでまだ10日以上あるというのに…!





ちなみに桂がスイスに行くという話はどうなったのか。

今、生活が逼迫している俺からしてみると、桂が追々スイスに行くかどうかというのはそれほど重要じゃなかった。

結論から言えば、桂のクセに、俺より将来のことよく考えているじゃねぇか。ちくしょう!

だった。もうスイスの件についてはそれでおわった。






「…どうするよ、これ?」

どうがんばってもこのまま電気、ガス、水道を使えば仕送りの前に親に泣きつくことになる。

今だって思いつく限り切り詰めているというのに…!

「ふーむ…。二人で、暮らすか?」

と桂は言った。



桂が俺の部屋に仕送りが来るまでいることになり、その間の生活費は二人で割勘することになった。


俺たちの二人で1万円未満生活―

極力電気を使わないために、朝は朝日と共にカーテンを開け、ご飯は鍋で炊いた。

もちろん弁当は作って持っていく。

朝ごはんを終えたら、皿洗いをして、パソコンと携帯の充電器を持って大学の図書館に向かう。

携帯の充電は大学で行う。
大学図書館が閉まるまで家には帰らずに課題を終わらせる。
大学の図書館は無線LANが入るので、笑顔動画にもつなげることが出来る。
夜の9時に図書館は閉館するので、図書館前で桂と待ち合わせて家に帰る。

洗濯は1週間に1度、俺のうちの洗濯機で洗う。
風呂はさすがに毎日入りたいので入った。だが、桂の長い髪の毛が水道代を食っている気がしてならない。

「おい、その髪の毛を切って床屋に売って来い。金になるから」
「やだ」

即答である。

こんなに切り詰めていることもあってか、今まで以上に口が寂しい。それは桂も同意らしい。

そこで俺たちはこの口寂しさを打開するための策を思いついた。


俺と桂が考えた策とは。

「いいか、今日はテニスサークルを見に行くからな。16時にグラウンド。わかったな。」

「ルージャ!」
朝、家を出て学校に向かう途中、桂と打ち合わせをした。俺と桂の持ち物は授業の準備のほかに体育のジャージがある。

とはいえ、今日は体育の授業はない。先ほど桂と打ち合わせをしたようにサークルを見に行くのが目的なのだが、入るのは目的とはされていなかった。その後だ。

「桂君、高杉君。この後、大丈夫?」

サークルが終わって一汗流した後、テニスサークルのキャプテンが声をかけてきた。

「あっ、大丈夫ですよ。」

「じゃあさ、晩御飯でも食べに行こうよ。奢るからさ。」

「本当ですか?!」
「ありがとうございます。」

そうだ。
俺たちの飢えた腹を満たし、なおかつ懐も痛くならない方法とは、要するにたかりだった。

俺たちは次の仕送りまで、入学式や健康診断のときに配られた大量のサークルのビラを引っ張り出し、手帳にそれぞれのサークルの活動日をメモしていった。

それはもう、いろんなサークルに行った。
テニス、バスケ、バレーボール、吹奏楽、合唱、視聴覚文化サークルなどなど。

中には「夕食を奢ったんだから、入部、するよね?」といってくるサークルもあった。

飯にありつくのもなかなか大変だ。

夕食を集った後、俺たちは学生マンションに向かって歩いた。