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ヴァルヴォル
ヴァルヴォル
novelistID. 38991
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君が泣かなくなるまで

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結局、あの後土井先生が二人をたたきだしてしまった。

しかし二人はあきらめたわけじゃない。

また来るぞ、絶対。

「そういえば、土井先生?」
「なんですか?」
「さっきあんたが言っていたきり丸と中在家の仲ってなんですか?」

あまり聞きたくなかったが、自分の受け持ちの生徒絡みのことだ。知っておいた方がいいだろう。だが、土井先生もあまり触れてほしくない話題だったのか少し傷ついたような表情をした。

「……先日、山田先生が出張に行かれた時に、中在家ときり丸がこの部屋に来たんです…」
「ふんふん」
「それで…中在家が…卒業したらきり丸を引き取りたいと…そう言ってきたんです」
「ほぉ…」

中在家はきり丸に対して優しい部分があった。
きり丸のアルバイトを手伝ったり、きり丸の学費免除を得るために学園で行われた行事で優勝をもぎ取ったり、どこかきり丸に入れ込んでいる部分があったが…そうか、引き取りたいとそこまで考えていたのか。
数週間前、中在家は他の誰よりも早く就職先を見つけていた。公にはされていないが教師は全員知っている。

就職先は、先ほど話題に上がったしんべヱの家だ。しんべヱの妹、カメちゃんの護衛につくらしい。就職先を探していた中在家にカメちゃんが提案したそうだ。

カメちゃんはしんべヱと違い視野が広い。この先、更に視野を広げ、いずれはしんべヱを支える立派な補佐になるだろう。だが、そうなるとカメちゃんの存在を邪魔だと感じるやつがでてくる。そんな危険性が高いため、早い段階から福富屋はカメちゃんの護衛を探していた。当のカメちゃん本人も中在家を信頼していたし、中在家もカメちゃんを可愛がっていた。よって、早々に内定が決まったそうだ。