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スターサインプリキュア☆

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「ふー、お腹いっぱいだぁ。」
「美味しかったねー。」
私達は春菜さんの家で買ってきたお弁当やおやつをみんなで食べた。
「…で、これよ…。良かったら見てみて、2人共。」
そう言って春菜さんは2冊の本を渡す。
1つは絵本、1つは漫画みたいだ。
『絵本、かわいいー!』
私と結姫は真っ先に絵本のうさぎに目がいく。
ピンクのくるりとした耳としっぽ、ぐるぐるほっぺ、真っ白でぷにぷにしてそうな体つき、水色のような色のバンダナを首に巻いていて、バンダナやおでこ、頭の上に星がついていたりと宇宙人とうさぎを掛けたような不思議なキャラクターだけど、すごくかわいい。
絵本のタイトルは「ホッシーのはじめてのおつかい」というものだ。
「それはね、少し人気が出たみたいでホッシーシリーズはこれからも描くみたいなの。」
春菜さんは笑顔でそう言う。
『へぇぇ〜』
そうして私と結姫は次に漫画に目を向ける。
『…。』
「青春親父と空飛ぶパンツ…?」
「ぷっ。」
「せ、星羅!」
星羅さんは思わず吹き出し、春菜さんは少し顔を赤らめる。
こんな2人は初めて見た気がする。
「こ、これってどういうお話なんだろ…?」
結姫はそっとページをめくる。
「っ…!」
結姫はそう言って笑いをこらえ、赤らめた顔をパッと背ける。
めくったページには見開きで主人公(?)と思われるおじさんが「俺のパンツがねぇぇぇぇぇえ!!」と物凄い迫力で叫んでいた。
「あの、春菜さん…。これってどういう物語なんですか?」
「えーっとそうね…主人公のおじさんがふらりと現れた犬と共に飛んでいったパンツを追いかけながら世界中を巡る物語ね。」
「…結構深いんですね。」
ギャグなのか冒険なのかよく分からないけれど、ページをパラパラとめくっていると背景まで細かく描かれていて少し面白そうっていう印象。
でも…これは確かに少女漫画の雑誌に載るような漫画ではなさそう。
「ぷっ…くっ…」
星羅さんは笑いをこらえているみたいだ。
「星羅さんが笑うところボク初めて見たかも…」
ロタ君が物珍しそうに星羅さんを見上げる。
「これ、笑ってんのかー?」
「微妙なところね。」
アルカスとピーコちゃんも同じように星羅さんの顔を見上げる。
「結姫さんも笑いをこらえるなんて事はあまり…ってアルカス、ピーコ!」
ハルちゃんがそう言ったところでアルカスとピーコちゃんが星羅さんの元へ駆け寄る。
「2人共何を…」
私が言いかけたときにはもう時すでに遅しでした。
『せーのっ!こちょこちょこちょこちょ…』
「ちょ…や…やめ…!!」
アルカスとピーコちゃんは2人で星羅さんの身体中くすぐる。
アルカスの毛とピーコちゃんの羽でああされると相当くすぐったいはずだ。
2人は星羅さんの身体中をころころと駆け回っている。
「こちょこちょこちょこちょ…!」
「あっははははは!やめ、やめなさい…!!」
「ほーら、笑った笑ったー♪」
ピーコちゃんが尻尾の羽で星羅さんの足をくすぐる。
こんなに大声で笑った星羅さんは初めてだ。
「ちょ…だがら…ははっ、やーめーなさいって!」
そう言って星羅さんは頭の上にいたアルカスを掴み、もう片方の手でピーコちゃんの動きを静止する。
「はぁはぁ…もう、あなた達何やってるの!」
ポロッ。
『あ…』
アルカス達が暴れたせいか、少しずれていた星羅さんのメガネが星羅さん自身のスカートの上に落ちた。
「もう…ほんとどういうつもりなの?あなた達。」
きっと前なら星羅さんは本気で怒っていただろう。
アルカス達を投げていたかもしれない(私の考え過ぎかもしれないけど…)。
でも今の星羅さんは違う。ふぅっと息を吐き顔は少ししかめっ面になってはいるけど優しくアルカスとピーコちゃんをロタ君の近くに降ろす。
『…。』
「何よ、この沈黙は。」
星羅さんは不思議そうな顔をして私達を見渡す。
「あ、メガネね。」
そう言って星羅さんはメガネをかけなおそうとする。
「待って下さい!」
「え?」
「星羅さん、すっごくかわいい!」
「うんうん!」
私と結姫は星羅さんの顔をじっと見つめる。なんだかほんとに綺麗というかかわいいというか…
「あなたがメガネを外したところ、すごく久々に見た気がするわ。」
春菜さんはクスッと笑ってそう言う。
「…そうかしら。」
「ボクはどっちでも好きですけど、メガネを外した星羅さんもかわいいです!」
ロタ君はパァッとした明るい顔で言う。
「あ…ありがとう…。でも、コンタクトはあまり好みじゃなくて。メガネの方が楽でいいのよ。」
そう言って星羅さんはそっとメガネをかけ直す。
「それは確かにそうねー。」
春菜さんはうんうんと頷いている。
「はー、面白かったな。でもお前、ちゃんと笑えるじゃねぇか。」
アルカスは星羅さんを見上げる。
「そ、そうですよ。声を出して笑わなくても笑顔でいた方が…その…」
ロタ君は少し照れているようだ。
「ったく最後までちゃんと言えよっ!」
ドゴッ!
アルカスはロタ君の鉢にキックしてロタ君は鉢と一緒にグラグラと回る。
「あわわわわわ…ひどいよアルカスくーん…!」
「ちょ…ちょっとアルカス!」
「大丈夫よみのりさん。」
「ええ、あの2人いつもあんな感じなんです。」
ピーコちゃんとハルちゃんはアルカスに注意しようとした私にそう言ってくれた。
「そ…そっか。」
まぁ、アルカスとロタ君、本当は仲良しだしね。
ヴーヴー…
「…!これは!」
私のスターウォッチが反応する。
「親父からの通信だな。みのり、出てくれ!」
「うん!」