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スターサインプリキュア☆

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「目が覚めた…?」
「お嬢様…。」
「本当にごめんなさい。無茶なお願いをして。」
「私は…20年前に力と共に仲間も大切なもの全てを失ってしまいました。」
「…。」
「もうこんな事は経験したくはありません。お嬢様はブラック様の娘とは言え、我が妹のように愛しい方です。今の私が守るべきものは…あなたなのです。お嬢様。」
「…。」
「だから、お嬢様だけは私が守ってみせます。次こそ、大切な人は最後まで守り抜いて…みせます。
人間界など、プリキュアを消す事など、容易いことです…私の力が復活すれば。だから待っていて下さい…。待っていて…」
「フィラメント…。」
どうもまだ意識がはっきりしてないようだ。
「ウォルフたちのようには…させない。お嬢様だけは…私が…。」
「…。」
ねぇ教えてよ、フィラメント…。
あたしは一体誰なの?あたしが…ブラックの娘って嘘なんじゃないの?
もしあたしがあなたと同じならこの飴が甘くて美味しいなんて絶対に思えないはず。
けど私はこの飴が「甘い」ってそういう味覚を知っていた…覚えていた?食べたことがあるから?
今まで記憶の中ではブラックストーンしか口にしたことがなかったこのあたしが甘いという味覚をどうして知っているの?
ねぇバルジは?あいつは一体何なの…?
教えてよ…あなたは全てを知っているんでしょう?
「ごめんね…フィラメント。」
あたしは苦しそうに息をするフィラメントの顔にそっと触れる。
「大丈夫…強い力を感じるから休めば治るよね。」
悪いことをしてしまったけど…収穫は得た。
行かなきゃ…おそらく今のあたしではプリキュアに勝てない。それは薄々気付いている。
でも…あたしは行かなきゃ。
もしかしたらこれが今のあたしとフィラメントの最後かも知れない。
次に会う時にはどうなっているのかあたしには分からない。
でも今のあたしが生きてるうちに…まだやるべきことがあるから…。
「ライエ…行くな…行くな…!」
私が離れようとするとそう言ってフィラメントはあたしの手首を掴む。
「フィラメント…?」
聞いたことのない名前…。誰の事を言っているの?
「お前だけは…私の傍にいて欲しい…お前が望む事はなんでもしよう…だから…ここにいてくれないか…?このままでは私はまた一人に…一人に…っ。う、うあぁぁぁぁぁあ!」
フィラメントは激しく頭を押さえ、叫んでいる。
「っ!!」
あたしはとっさにフィラメントに力を使う。
「…。」
気を失ったようだ。
あたしはやはりとんでもない事をしてしまった…。でもこの罪はもうすぐ償うよ、フィラメント…。