スターサインプリキュア☆
「とどめって、せ、星羅さん!?」
ロタがあたふたとデルフィナスに尋ねる。
「決まっているでしょう。スターロッドの新たな力を開放するのよ。」
慣れというものは怖いわね。これから何をすべきなのか手順が頭の中で勝手に順序立てられる。
そうして私はパンッと腰飾りを叩くと光と共にスターロッドが出てきた。
「響け!いるか座の力、デルフィーロッド!」
私の掛け声にロッドが反応し、光を放つ。
「プリキュア・デルフィナスレガート!」
私はそう叫んでロッドの先端に付いている星を手で滑らせるように回す。
綺麗な音色と共に水色の光がダークマターを浄化していく。
「マ、マァァタァァァ…」
「あぁ!!くそー…ほんま、ほんま腹立つやっちゃなぁ!!覚えとけ!!」
パルサーは頬を押さえたまま立ち上がり消えていった。
スタージュエルと空のスプレー缶が1つ降ってきて私はそれをサッと受け止める。
「さすがデルフィナスね。行動が早いというか…。」
パーボが感心したように私にそう言った。
レプスやアルサもさすが先輩!と寄ってくる。
…一応プリキュアとしてはあなた達の方が先輩のはずなんだけど。
「あの…」
声がして振り返るとスーツケースと大きな鞄を抱え、紫色のレインコートを着た女性が立っていた。
「あ、えっとあの…」アルサは少し動揺した様子だ。
「あなた達がプリキュアね。」
『…!?』
「ど、どうして私達の事を…!?」
アルサは驚いてその女性に駆け寄っていく。
…本当に彼女は疑うという事を知らないのかしら。
もし相手が敵だとしたらみすみす正体を明かしてどうするのか…。
そういう時は少し反撃準備の為の隙を作らなければ…そんな事を私は頭の中で呟いていたけれど、その女性が次に発した言葉は私ですら想像がつかないものだった。
「お願い…彼を…助けて欲しいの。それはあなた達の力がないと出来ない事のようだから…。」
彼女は左手で握っていたスーツケースをドンッと落とし、右手で抱えていた鞄を両腕で包み込むようにして持ってそう言ったのだった。
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆