スターサインプリキュア☆
「憎キプリキュアヨ…我ガ命二従ウノナラ命ダケハ救ッテヤロウ。」
「お願いメシエ!メシエだよね!?目を覚ましてねぇ!!」
私は必死でメシエに訴えるが彼女は表情1つ変えない。
「聞キ入レヌノナラ、ココデ消シ去ルノミ。我ノ手デコノ星ヲ我ガ物二シ、父二差シ上ゲル…消エロ…プリキュアァァァァアア!!!」
ブラックメシエは槍を下から上へ大きく振り下ろす。すると図書館の床が大きな音をたてながら崩壊していく―――
『きゃあああああ!』
私達は急いで図書館の出入り口から外へと逃げる。
だがブラックメシエもすぐに私達の後ろを追う。
「ダメ…逃げてばっかりじゃこっちがもたないよ!」
「…みんな…私、やってみる。」
紗織が体の向きを変えブラックメシエに向かっていく。
「シグナス!!」
「最初ノ餌食ハオマエカ。」
「私…あなたの事よく知らないから…アルサ達があなたに目を覚ましてって言っててもよく分からない…。あなたは本当はいい人だったの?」
「我ハブラックノ娘、メシエ。ソレ以外ノ何者デモナイ。今ト違ウ私ガイタトシタラ、ソレハオマエラプリキュアに騙サレテイタダケダ。」
「よく分からないけど…きっと今のあなたがおかしいんだと思う。そうじゃなかったらみんなあなたの事あんなに止めようとしない。」
「…全テハ無駄ナコト。コノ地球ヲ我ラノ物ニスレバオマエタチハ存在シテイテモ何ノ意味モナイ。
ダガ、ココマデ健闘シタノダ。苦シマズニコノ世カラ消シテヤル。」
ブラックメシエは槍をシグナスに向ける。
「やるしかないのね…。私も…みんなのような力を…!」
シグナスがパンッと腰飾りを叩くと光と共にスターロッドが出てきた。
「瞬け!はくちょう座の力、シグナスロッド!」
シグナスの掛け声にロッドが反応し、光を放つ。
「プリキュア・シグナスファウンテン!」
シグナスはそう叫んでロッドの先端に付いている星を手で滑らせるように回すと綺麗な音色と共に紫色の光、そしてたくさんの星がブラックメシエを襲う。
キィィィィィィン―――!
「っ!!」
ブラックメシエは槍を巧みに動かして星を蹴散らすが数が多くて全てには対応しきれない。
「…マァイイ。今日ハコノ辺ニシテオイテヤロウ。ドノミチオマエタチニ勝チ目ハナイノダカラ…」
ブラックメシエは大きく槍を振ってシグナスの技を掻き消し、姿を消した。
「…。」
『シグナス!!』
「みんな…ごめんなさい…スターロッドの技、彼女に効かなかった…。」
シグナスは落ち込んだ様子でアルサ達に頭を下げる。
「いいんだよ!とりあえず帰ってくれたし…!」
「あのフィラメントも…メシエも…桁違いに強いよ…。」
「このままだと…危ないかもしれないわね。」
「何か策を講じないといけないわね。」
アルサ、レプス、パーボ、デルフィナスは口々にそう言った。
「みんな…」
シグナスが顔を上げるとみのりがにっこりと笑ってガッツポーズをする。
「大丈夫大丈夫!シグナスも加わって5人なら何があっても絶対に勝てるよ!」
「それは無理ね。」
アルサの言葉を即座に否定する声が聞こえた。
『え…!?』
上を見上げると建物の上から何者かがアルサ達を見下ろしていた。
アルサ達と目が合うとその者は上からスッと飛び降りアルサ達に近づく。
黒いヘルメットに黒いゴーグル、黒いマント。ヘルメットには灰色の星を半分にしたような飾りが付いている。
ヘルメットだけを見るとどこかの戦隊ヒーローが付けていそうな物だ。
「あなたは…一体!?」
「今のあなた達の力ではフィラメントに勝つことは出来ないわ。」
『…!!』
フィラメントと同じような落ち着いた声、口調と声質からして女性だろう。
「ど、どういう事ですか!私達は…プリキュアだし、世界を救えるのは私達しかいないし…!えっとその…」
アルサはおどおどとしながら答える。
「彼の事はさておき…さっきの女の子。彼女は私の見立てではかなりの強者ね。今の彼の力では及ばないくらいの…強さを感じる。
それにあの体でダークスタースピアーを軽々と使いこなすとは…見事ね。」
『ダークスタースピアー…!?』
「さっきの…メシエが持っていた黒い槍の事ですか?」
レプスが聞き返す。
「ええ。」
「何で…あなたがそんな事を知ってるんですか…!?やっぱりスター・バーストの…」
この人は一体何者なの…!?
「…とにかく、無茶な事はやめた方がいいわ。あなた達に勝ち目はないのだから。」
「そんな事ないです!絶対に、絶対に…私達は諦めません!」
アルサは力強くそう言い放つ。
「…。それじゃ…楽しみに見守ることにするわ。あなた達がどれほどの力を発揮するのか…。」
「それってどういう…!!」
「また…会いましょう。」
「え、ちょっと…」
謎の女性は再び軽い身のこなしで屋上へ飛び上がり姿を消した。
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆