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スターサインプリキュア☆

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「フィラメント…様!」
ブラックメシエに追われたバルジを救ったのはフィラメントだった。
連れて行かれたのはバルジも知らない暗い部屋。
しかし、プリキュアの資料と思われるようなものが散らばっている事からフィラメントが使用している資料室だろうと察する。
「勘違いをするな。助けた訳ではない。だが…今のお前は私よりお嬢様の異変に関する情報を知っているように思えてな。利用価値があると思い見殺しにしなかっただけだ。」
「…。」
「一体何があったのだ…お嬢様に…」
「ブラック様の力をもら…いえ、お力を頂いたのだと…」
「ブラック様が…お嬢様に力を…?」
フィラメントはふぅっと息を吐いて床に座り込む。
「…。」

ブラック様は…そうだ…ごく普通の事をなさっているだけではないか…。自分の力を娘に分け与えただけ…。
だが…だが…
「我ガ名ハブラックメシエ。我ハ父ノ命令二従ウ。我二刃向カウモノ、全テ敵ト見ナス。」
お嬢様……
「フィラメント、あんたには関係ないわ。」
「あっち行ってて!プリキュアはあたしの手で処分するんだから!」
「さっすがフィラメント♪バルジとは大違いね!」
以前のお嬢様の姿が思い返される。
今のお嬢様は…私の知っている可愛らしいお嬢様ではない…なぜだ…分かっているのに…。
ブラック様に尽くすことが我々の幸せ…分かっているのに…何故…。

「フィラメント様…」
バルジが口を開く。
「俺…メシエを絶対助けます。たとえ…全てを捨てる事になったとしても。」
「…!?」
フィラメントはバルジの胸ぐらを掴む。
「何と…言った…!?」
「メシエを…助けます。どうせ俺は消える身です。それならメシエを助けて消えます。」
「生意気なっ!!!」
ガッ!!
フィラメントはバルジの頬を殴った。
「…っ。殺すのは…後にして下さい。フィラメント様も望まないんじゃないですか…?お嬢様が消える事。」
「お嬢様は消えぬ!!!消える訳がない!!」
「でも俺達の知っているメシエは…お嬢様は現にいないじゃないですか、もう。」
「っ…!!!」
見た事もないようなバルジの真っ直ぐな目にフィラメントは言葉を失い、胸ぐらを掴んでいた手も放す。
「全てを捨てなくとも…道は必ずある…捨てさせるものか…」
「俺は下っ端だから消えたってしれ…」
「黙れ!!!!」
「…フィラメント様…?」
「く…ぐ…」
フィラメントは両手で頭を押さえて再び座り込む。

「俺は元々…自分というものがない。だが、彼女には惹かれるものがある…だから彼女がここを去ると言うのなら…俺も従おうと思う。」
「この世界の全てを捨ててか?」
「ああ。段々…分からなくなってきたんだ。この剣を振りかざす意味が。」
「…。」
「お前も来い。みんなで…新たな世界を築かないか?これからどうなるか分からず苦しむよりは何も分からなくても笑っている方がいい。一番憎かったあいつら…プリキュアに教えられた。お前もそう思っているのだろう?彼女を見つめるお前の目は普段の冷酷な目とは違うからな。」
「プリキュアの言う事を信用するとでも…?」
「ああ。それに俺は…元々…」

「う…う…ああぁぁ…」
「フィラメント様…!?大丈夫ですか!?」
「うあぁぁぁぁぁああああ!」
「!!フィラメント様!!」
「くそ…メシエ…戻って来いよ…フィラメント様の為にも…。」