スターサインプリキュア☆
トイレに近い階段を駆け上がって私は屋上へ向かう。
「嘘付くの下手かな、私…。」
「みのりさんは今までお腹壊したり体調崩すこと時々あるんですか?」
「ううん、ほとんどない…。ましてやパフェ目前でなんてありえない…。」
「それなら多分…バレますね。」
「ごめん…。結姫はいい子だから私がプリキュアでも秘密にしてくれると思う。」
「とりあえず今はブラックの手下の悪事を止めることです。」
バッと扉を開けると、何だか空気が重い…。
「…フフフ。お前はこの間の小娘か。この間はよくもやってくれたな。」
「またあなたね。反省する気もないの?」
「反省?ハハハハハ、笑わせるな。私はブラック様に忠誠を尽くす、それだけだ。
この前のようにはいかない…見てろ。全ての光を闇に変え、ブラック様の力に!!スターバースト!」
そう言った瞬間辺りが急に暗くなり、周りの色が消え始めた。
「これは…この前と同じ…。」
「いいところにスタージュエルがあるな。さぁスタージュエルの輝きを吸収して、行くのだ、ダークマター!」黒いボールの様なものとスタージュエルが合わさり、屋上にたくさんある美しい木々や花と融合して巨大化する。
「マーター!」
「さぁ闇の花たちよ、黒く美しく輝き、ここにいる人間共の全ての光を吸収するのだ!」
「マーターー!!」バルジがそういうと黒い粉が花から一斉に飛び散る。
「ゲホゲホッ…何…これ…。」
「みのりさん!ダメですその体で吸ってはバルジの思うがまま!変身です!」
「う…うん!」
『プリキュアッ!スターサイン・イリュージョンッ!!』ピカーッ!時計が開き、針がくるくると回って綺麗な光が私を包み込む。黒い花粉で息苦しかったけれど私の体は星の光たちに包まれ自然と楽になる。
前と同じように無数の星達に手を伸ばし、星座の力を受け取って私は地に降りた。
「こぐま座の溢れる勇気!キュアアルサ!」
「フン、プリキュアになったか。だが今回は残念だがここで消えてもらう。さぁ、行け!ダークマター!!」
「マーターー!」
「そうはさせないっ!!はっ!」
私は木に向かってキックをしようとした…けれど木の枝が足に絡まってきて私は投げ飛ばされてしまった。
「きゃっ!つ、強い。でもとりあえずやらなきゃ…。」
次は根元を狙ってキックを試みる。
「はぁぁ!!!」
「浅はかだな。やってしまえダークマター。」
「マーター。」すると、急に草が伸びて私の足を取る。
「えぇっ!こんなの卑怯よ!」
「何を言われようが関係ない、これが俺のやり方だ。プリキュアの力も所詮そんなものか。我らの敵ではないな。ハハハハハ。」
「くぅ…ムカつくー。先にどちらかを…。よし、やってみるしかない!」
『集え、こぐま座の力よ!プリキュア・アルサアロー!』
私は矢を放ちまずは草花を仕留める。
これで楽に木に攻撃出来るはず。
「マァータァァー!」草花が闇の力を失っていく。
「チッ。まぁいい、これくらいではどうにもならん。」
「そうかしらね、はぁぁ!!」
私は再び木の根元を狙ってキックをする。
その時。木がフワッと浮かび根っこを私の体の絡めて押しつぶそうとする。
「…っ!!う、動け…ない。」
「フフフ…ハハハハハ!!!愉快だ、実に愉快だ!見直したか、小娘ごときにやられる俺ではない!」
どう…しよう…。ここで潰されて終わってしまうの…?そんなのダメ、絶対ダメ…。
でも動けないし、どうしたら…。
作品名:スターサインプリキュア☆ 作家名:☆Milky☆