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スターサインプリキュア☆

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「運が悪すぎるわ…。」
部長さんは落胆の色を見せる…が私はついつい目先にある芋ようかんに夢中だった。
「うわーこの芋ようかん、しっとりしてておいしー!」
「みのりーみんなのなんだし…勝手に食べちゃ悪いわ。」
「えへへ、ごめんごめん。部長さんも食べましょ!」
私はそう言ってようかんが乗ったお皿を部長さんに差し出す。
「いらない。」
部長さんは不機嫌そうな顔で腕を組み、冷たく言い放った。
「そんなこと言わずに…お隣さんからもらったんですし!」
「いらないって言ってるでしょ!そうでなくてもこっちは不愉快なの!!」
「星羅さん…せっかくみのりさん達が来てくれたんだし…。」
ロタ君が寄ってきて部長さんにやんわりと声をかけた。
「私は望んでない。」
「星羅…私も心配なんだよ!?私はもっともっと前から星羅の事知ってるから今のあなたを見てると…こっちが辛いの!苦しいなら…辛いならもっと頼ってよ!私、それで昔の星羅に戻ってくれるなら出来ることはなんでもするよ…。だからお願い…もっと…笑ってよ。前みたいに…。昨日も…同じ事言ったけど…。」
「…。」
「わ、私は…部長から見たらただの新入部員だし、偉そうには言えないけど…。
もし部長さんが4人目のプリキュアならもっと仲良くなりたいって思うし、そうじゃなくてもこのまま…
このまま部長さんを放っておけないです!」
私も手に持っていたお皿を置き、そう言った。
すると、部長さんは一息ついて誰とも目線を合わせずに下を見てこう言った。
「私は…間違ってるの?私は…お母さんが亡くなって、その代わりになろうと思って同じように頑張ってるだけなのに…。お母さんは私が口利かない時だって、ずっと毎朝お弁当作ってくれて、私もそれが当たり前で感謝だってした事なかった…。病気にかかっても何も言わずに普通に家事も全てこなしてて、私はちっとも…気が付かなかった…。私がお母さんを労わってあげられなかったから…だから私は…!」
悔しそうな顔をする部長さんの手を掴んだのは野木先輩だった。
「違う、違うよ星羅!おばさんは星羅のせいで死んだんじゃないよ!
上手く言えないけど…病気だから…仕方ないんだよ…。でもそれが星羅のせいなんてこと絶対にない!」
「私も、部長さんのせいなんて事、絶対にないと思う!」
「私もです!」
私と結姫も口々に言うが、思うように言葉が見つからない。
「…お願い。もう今日は帰って。」
「…星羅。」
「あなたも帰りなさい。勝手に連れてきて悪かったわ。」
部長さんがロタの方を向いてそう言った。
「ボ…ボクは…ここに残ります!!」
『え!?』
ロタ君の発言に驚きみんなでハモってしまう。
「ボクが今ここを出たら星羅さんは本当に一人の時間が多くなってしまうじゃないですか…。
そ、その…女性が1人でいると危ないですし!」
ロタ君…私はいつもアルカスにいじられているロタ君、ちょっぴり泣き虫なロタ君しか知らなくて…。
だから少し男の子らしいロタ君を初めて見た気がした。
「かといってお前役に立たねぇだろ!?」
「そ、そんなことないです!とにかくボクはもうしばらくここに残ります!」
アルカスがそう言ってもちゃんと反論するロタ君を見て私は少し心が軽くなった気がした。
「そっか…分かった!じゃあ今日はもう帰るね。行こう、結姫、先輩。」
「うん…。」
「ごめんね…星羅。」
「…えぇ。」
私達はそう言って玄関で靴を履いて帰ろうとした、その時、玄関の鍵が開いて男の人が入ってきた。
「うわぁぁぁ!?」
『きゃ、きゃあああ!』
私と結姫もつられて叫んでしまう。
「お父さん!?」
「おじさん!」
「せ、星羅…この方達は一体…。」
部長さんの…お父さんだったんだ!!
「あ、あの相武みのりです、星研の新入部員です、突然お邪魔してごめんなさい、帰ります!行こう結姫!」
「あ、うん。すみませんお邪魔しました!」
とりあえず帰ろうと思って私は結姫の手を引いた。
「あぁーちょ、ちょっと待って下さい!軽く夕飯でも一緒に食べませんか?みんなで。
その、まさかお友達が来ていると思わなかったので少ししか出せませんが…。」
意外な提案で私達は一瞬固まってしまった。
「お父さん!なんで今日は早く帰ってきたの?
この人達はお友達じゃないから余計な気遣いしなくていいの。」
「星羅が体調が悪いようだったから仕事を早く切り上げて来たんだ。
それに、お友達じゃなくてもわざわざ来てくれたんだ、立派なお客様だろう?
さ、みなさんのお時間が大丈夫なら上がって下さい。」
部長さんのお父さんはそう笑顔で言ってくれた。何だか部長さんとは全然違うイメージ…。
「い、いいんですか?」
「どうぞ。」
「お、お邪魔します!」
「…。」