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スターサインプリキュア☆

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「シチューの材料を買ってきたんだ。温かいものを食べれば元気になるかもしれないからな。」
「…私がやるわ。」
部長さんが材料の入った袋に手を伸ばす。
けれどそんな部長さんの手にお父さんはそっ
と触れる。
「これは、私にやらせてくれ、星羅。」
「…。」
「星羅、ほら、こっちで待ってよう。」
「わざわざご馳走になっちゃうなんていいのかなぁ?」
「せっかくだから甘えちゃおうよ。」
「そうね。」
野木先輩と部長さんは2人でテーブルクロスを引いたり、椅子を動かしたりしていた。
部長さんは特に口を開く事もなく黙々としている。私達も何かお手伝いさせて下さいって言ったんだけど野木先輩にあなた達は待っていてとにこやかに言われたものだから私達は待っているしかなかった。
ふと台所へ視線を変えると部長さんのお父さんが野菜を切っていたので私はキッチンの方へ行ってお父さんに声をかけてみた。
「あの、私も何かお手伝い出来ることがあれば、手伝わせて下さい。」
部長さんの笑わない顔からは想像出来ないほど自然な笑顔で、私の方を見てくれた。
「大丈夫ですよ、ありがとうございます。僕はコックをやってまして、料理だけは何とか。」
「そうなんですか…!」だから何だか準備も手馴れていたんだ。
私は台所から離れようとしたけれど、部長さんのお父さんは調理をしながら続けて言った。
「あなたは、星研の新入部員さんだとか…。」
「あ、はい。」
「星羅は…星研で上手くやってるんでしょうか…?」
「…その、私はまだ入部したばかりで…。」
「そうですよね〜」
そう言ってハハっと笑う部長さんのお父さん。だんだんシチューのいい匂いがしてきた。
「で、でも天体の事、すごく詳しいし、いい部長さんだと思います。
ま、まぁ…少し頑張りすぎてる部分もあるって言うか…だから私、星研をもっと笑顔で楽しく活動できる部活にしようと思って…。」と言ったところで私は急に焦ってきた。
部長さんのお父さんは振り返って少し驚いたような顔で私を見つめている。
し、しまったあああああ!
ペラペラと喋りすぎてしまった…。
これじゃまるで今の部活が笑顔で楽しく活動出来てないって言ってるのと一緒じゃない!
で、でも間違いじゃないよね…あ、いやいや、お父さんの前でこんな事言っちゃいけないよね!?
わー、私のバカ…!あ、でも「もっと」って付けたから問題なかったりするかな…。
ううう、どうしようー!!
「ハハハ!えぇっと相武さんでしたっけ?」
「は、はい…。」
「そうですか、今の部長で心もとない、と。」
「え、いや違いますっ!部長さんでも十分…」
「いえ。あなたの言う通りです。今の星羅では部員さんも大層ご苦労なさっている事でしょう。
あなたのような方が入部してくれて、星羅も嬉しいんじゃないですかね、内心。」
そう言う部長さんのお父さんは本当に笑顔で優しくて…私の失言なんて気にも留めていないような感じだった。
「そ、そうなんでしょうか…。」
とてもそうは見えない…とはさすがに言えない。
「みのり、何やってるの?邪魔しちゃダメよ?わぁいい匂い…。」
結姫が寄ってきてクンクンとキッチンの匂いを嗅ぐ。
シチューの匂いはキッチンいっぱいに広がっていた。多分、野木先輩や部長さんの方にも届いているだろうなって思う。
「邪魔してないよー。」
「かわいいお客様とお話出来てこちらこそ嬉しいですよ。
もうすぐ出来ますからそろそろ座ってお待ち下さい。」
そのセリフはまるで本当にレストランのウェイター…あ、でもお父さんはコックって言ってたね…。
でもなんだか働く姿が目に浮かぶようだった。
「はい!」
なんか本当に雰囲気違うなぁ…。部長さんと…。
もしかしたら部長さんも本来はあんな感じで笑顔が素敵な人なのかな。