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Wizard//Magica Infinity −2−

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6月12日(水) 天気 はれ 

今日、ハルト先輩と凛子さんとコヨミさんと僕の3人でダムに行った。
楽しかった。


6月16日(日) 天気 はれ

今日、ハルト先輩と山に行ってセミを取った。
楽しかった。


6月19日(火) 天気 あめ

今日、ハルト先輩と一緒に水泳した。
楽しかった。だけどちょっと寒かった。


・・・


8月23日(木) 天気 快晴

夜、今日はハルト先輩と二人きりだ。山にある小さな丘で一緒に打ち上げ花火を見た。大きな爆音と共に夜空に綺麗な花を咲かせる…とても美しかった。
それと同時に僕はふと、ハルト先輩の横顔を見てしまった。
その先輩の横顔が普段以上にとても凛々しかった。花火の光がそうさせてたんだ。

8月25日(日) 天気 曇天

今日で夏休みは終わりだ。
中学生最後の夏休み、来年からはついに僕も高校生だ。
来年の今頃、僕はハルト先輩と同じ高校生になる。きっと、今とは違う視点が見えてくるだろう。だけど何だ?この虚しさは…あぁ、そうか。
僕は着実に、少しずつだけど大人の階段を登ろうとしているのか。


・・・

12月12日(水) 天気 快晴  気温 6℃

もうすぐ、一年の終わりだ。
通学路には既に雪が降り積もり風が冷たい。
この村にもついに冬がやってきた。

「ふぅ~ふぅ~」

手袋の上から息を吹きかける。
マフラーに頬を隠し学校へと登校する。
それと同時に僕の頭の中にこの一年間の想い出がフラッシュバックのように映像が過ぎった。この一年間で…僕はどれだけハルト先輩に近づくことができたのだろうか。

「ハルト先輩…」

先輩は、僕に色々な事を教えてくれた。
春、学年が上がると同時に勉強を教えてくれた。
夏、僕の為に泳ぎ方や魚の捕まえ方を教えてくれた。
秋、一緒に木の葉を集めて焼き芋を食べた。
冬、雪が降り積もる通学路を一緒に歩いた…。

「俊平!」
「あ、ハルト先輩!」

ふと、僕の耳に聞きなれた声が入ってくる。
視線の先には、ハルト先輩が手を振りながら僕のことを待っていた。

「はぁっはぁっ、すいませんハルト先輩っ待たせました!」
「んなことないって、俺もさっききたとこだし」
「あ、そうなんですか?あっ…」

何気ない気持ちでハルト先輩の手を見た。
ハルト先輩の手が赤くなっている…きっと、ずっとここで待っていたんだろう。
そっか、僕の為に…

僕の為に待ってくれていたんですね、ハルト先輩。


「ハルト先輩…あのっ…」
「ん、どした俊平」
「あのっ…そのっ…ハルトせんぱい…」

そして、抑えきれなくなった僕は、


ついに自分の気持ちをハルト先輩に−−−



作品名:Wizard//Magica Infinity −2− 作家名:a-o-w