Wizard//Magica Infinity −2−
それは、遠い未来…遥か未来の物語。
「はぁっ…はぁっ…」
2×××年、面影村は、地形変動と時空の歪みによりとある異世界へ飛ばされてしまった。村人は何が起こったのか理解しきれていない。
だが、一つ理解できたことがある。
村の周りは、広大な砂漠へと変化していたのだ。
そんな砂漠の中を歩く一人の男がいた。
「くそっ…どこまで歩けば良いんだ。面影村を出たのは良いが、既に食料と水は切れ、まさにピンチってやつか…」
彼の名前は操真ハルト
村一番の剣士だ。
彼の剣の腕前は元の地球では世界レベルで1、2を争う強豪だ。
ただ女性の恋心には鈍感なところがたまにキズである。
「まったく…俺がこの異世界を開拓する勇者に選ばれちまうとはなぁ…だからといって、こんな砂漠の世界に敵なんているのか?」
その時!
『グゴオオオオオ!』
ドカーン!
ズゴゴゴゴゴ!
「うお!なんだこの龍は?」
なんと急にハルトの目の前に大きな龍が現れた!
その大きさは面影村で一番高い学校を遥かに凌ぐ大きさだった!
「くそ!くそくそ!どうすれば良いんだ?」
ハルトは考えた、しかし何も良い案が思いつかない。
「グゴオオオオオオ!」
ドドドドドドド!
龍は待ってくれない、大きな翼を広げ、ゆっくりとハルトに向かって襲い始めた。
「くそ…こうなれば俺のこのシャイニングソードブレードを使わなければ…」
シャイニングソードブレードとは、この世のどんな物質でも斬ることができる名刀である。
操真ハルトがかつての師、リンコから受け取った最強の剣なのだ!
シャイニングソードブレードは超チタン合金でできており、その価値は国一つ買えると言われている。ひと振りで山を消すこともできるのだ。
「いけるか?地球では強豪と恐れられたこの俺が、この龍に勝つことができるのか?」
「グゴオオオオオ!」
「もってくれよ…シャイニングソードブレード!!」
ハルトはシャイニングソードブレード(以後SSV)を持つ。その瞬間、SSVが光り始めた。これはSSVとハルトが共鳴している証なのだ!
ハルトはSSVを手に持ち、龍に向かって走っていった!
「行くぞ龍!」
「グゴオオオオオ!」
ドドドドッ!
だがその時!
ドッガガァァァァァン!
「ギャァァァァァァァ!」
龍は悲鳴を上げて倒れた!
「な、なんだ…俺はまだ何もしていないぞ!」
「私が龍を倒したのよ!」
「だ、誰だ!!」
倒れた龍から一人の女性が現れる。
「私はコヨミ、よろしくね、操真ハルト!」
「(ドッキーン!)は、はい!よろしく!」
ハルトはそのコヨミという女性に一目惚れした!
「それよりハルト!今、この世界はピンチなの!お願い助けて!」
「解った!何をすれば良い?」
「とにかく私が通っている学校にきて!」
それからハルトは村に帰り制服を来てコヨミが通う学校へ入学した。
「転校生の操真ハルトです!よろしくお願いします!」
「あ、あの時の…(ドキン…)」
「あ、コヨミ…(ドキン…)」
「お前があの操真ハルトか!」
「お前は誰だ!」
「俺は俊平!コヨミは俺のものだ!」
「よし、剣道で勝負だ!」
二人は教室を出て廊下に立つ。
ハルトはSSVを持ち、俊平は竹刀を持った!
「よし、一撃で終わらせてやる!」
キンっキキンっ!
「何?SSVが…止められ…た?」
「なんだハルト、お前のそのSSVはそんなものか?」
(そ、そんなはずはない…SSVで切れないものはないんだ…なんだ…こいつは一体何なんだ?)
「とどめだ!ハルト!」
ジャキン!
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
俊平の竹刀によってSSVが折られてしまい、ハルトの腹部に一発入ってしまった!
「ハルト!大丈夫?」
「あぁ…済まない…コヨミ…ぐっ…俺は…負けた…」
「その程度か…ハルト。お前の力に私は失望したぞ」
「俊平…!!」
「ひとまず、コヨミは貴様に預けておこう!しかし…次は無いと思え!それまでに貴様はもっと強くなるのだっ!!うぬはそれまで待っていようぞ!!」
「ぐ…くそぉ…」
「ダメよハルト!!無茶はいけないぞ!」
俊平は大きな足音を立てて立ち去る…ハルトは彼の気まぐれでなんとか一命を救われた。
廊下には、力尽きたハルトと、それに寄り添うコヨミの二人きりだった…。
次回、第2話
「ハルトの甘い恋、私がハルトの恋人なんだからね!」
次回もやぁぁぁっってやるぜっ!!
作品名:Wizard//Magica Infinity −2− 作家名:a-o-w