機動戦士ガンダムRS 第27話 さだめの楔
ダリダ軍曹が報告した。
「警戒は、厳に。
艦隊離脱後離水し最大戦速」
ラミアス艦長が命令した。
「艦隊旗艦より入電。
我是ヨリ帰投セリ。
貴官ノ健闘ヲ祈ル」
カズイ二等兵がオーブ艦隊旗艦からの電文を読み上げた。
「エスコートを感謝すると返信して」
ラミアス艦長がカズイ二等兵に命令した。
※
「何だ坊主、どうした?
まだ何も命令は、出てないぞ」
マードック曹長は、パイロットスーツを着たキラ少尉がストライクガンダムに向かっているのを不思議に思った。
「領海を出ればコロニー軍の攻撃が始まります」
そういうとキラ少尉は、ストライクガンダムのコックピットに入った。
マードック曹長は、キラ少尉が何を言っているのかわからなかった。
オーブ艦隊は、アークエンジェルから離れた。
アークエンジェルは、離水し最大戦速でアラスカに向かった。
※
それは、η艦隊でも確認できた。
「オーブ艦隊より離脱艦あり。
艦特定、アーガマもどきです」
ブリッジ・オペレーターの報告に驚いたり驚かなかったりなどパイロットたちは、さまざま反応を見せた。
「出撃する。
今日こそアーガマもどきを沈めるぞ」
サオトメは、部下たちに命令した。
ガンダムサイガーは、ハンガーから下ろされカタパルトに接続された。
「アツシ・サオトメ、ガンダムサイガー出るぞ」
ドゴス・ギアからガンダムサイガーが発進した。
ユーピテルもベースジャバーに載り発進した。
※
それは、アークエンジェルでも確認できた。
「レーダーに反応。
数126機、いや128機です」
ロメロ軍曹が報告した。
皆は、ショックを隠しきれなかった。
「機種特定。
ガンダムサイガー1機にユーピテルが127機です」
ジャッキー軍曹が機種を報告した。
「潜んでいた?
網を張られたのか?」
バジルール副艦長は、敵の展開からそう読んだ。
「対艦、対マン・マシーン戦闘用意。
逃げ切れればいい。
厳しいとは思うが各員健闘を」
ラミアス艦長が皆を鼓舞した。
「ECM最大強度。
スモークディスチャージャー投射。
両舷、煙幕放出」
バジルール副艦長が命令した。
※
「コンジット接続。
補助パワーオンライン。
スタンバイ完了」
第2カタパルトデッキでは、エールストライクガンダムがフェイズシフトを展開させずにアグニに補助パワーケーブルを接続した。
これによってどのストライカーパックであろうとストライクガンダムがアグニを撃つことができる。
アークエンジェルは、スモークディスチャージャーと煙幕で完全に姿を消した。
※
第1カタパルトでは、トール二等兵がスカイグラスパーのコックピット内で緊張していた。
「そう緊張するな」
トール二等兵は、突然のフラガ少佐の声に驚いた。
「今までどおり上空からストライクの支援だけやればいい」
フラガ少佐は、トール二等兵に深追いしないように警告した。
「はい」
トール二等兵は、フラガ少佐の警告を胸に刻んだ。
「行くぞ。
落ちるなよ」
フラガ少佐は、先に出撃した。
「進路クリア。
スカイグラスパー、ケーニッヒ機、発進。
気を付けてね」
ミリアリアは、トール機を誘導した後心配そうに無事を祈った。
なお今回2機ともエールストライカーパックを装備している。
これによってストライクガンダムは、エールストライカーのまま戦闘を継続できる。
システムがオールグリーンになりトール二等兵は、スカイグラスパーを出撃させた。
しかしその際発生するGは、何度体験しても慣れそうになかった。
※
それは、マン・マシーン隊でも確認できた。
「煙幕?」
「姑息な真似を」
ニール少尉とチャールズ少尉が愚痴った。
そのとき敵機が煙幕から現れた。
しかし白いガンダムがいなかった。
「あいつは?」
ひとまず戦闘機をビーム・マシンガンで攻撃して白いガンダムを引きずり出そうと考えた。
※
それは、フラガ少佐とトール二等兵も確認できた。
フラガ少佐は、余裕に回避しトール二等兵は何とか回避した。
「よし。
悪くないぞ。
ストライクの支援を任せる」
フラガ少佐は、トール二等兵の回避能力をほめトール二等兵がやるべきことを任せた。
※
トール二等兵の第1支援のひとつに観測機としての役割を持つ。
煙幕は、敵に自分の姿を見えなくするが自分も敵の姿が見えない。
そのため味方機に敵の座標と射撃データを送る観測機が必要だった。
「こちらスカイグラスパー、ケーニッヒ。
ストライク、聞こえるか?
敵の座標と射撃データを送る」
キラは、ストライクガンダムのコックピット内でトールを心配をしながら受け取った敵の座標と射撃データをストライクガンダムに入力しロックオンさせた。
キラ少尉は、ロックオンした部分にアグニを撃った。
※
それは、マン・マシーン隊も確認できた。
「散開。
ただしロッテ戦術は、崩すな」
マン・マシーン隊は、サオトメの命令で編隊を崩したが分隊までは崩さなかった。
※
キラ少尉は、アグニをおくとストライクガンダムをグゥルに載せ出撃した。
※
それは、サオトメも確認できた。
2機は、互いのビームサーベルでビームをを交わらせた。
※
「貴様ら」
イザーク大尉は、ユーピテルツヴァイに6連装ミサイルランチャーを撃った。
「毎度毎度しつこいんだよ」
ディアッカ大尉は、ユーピテルツヴァイに350mmガンランチャーと94mm高エネルギー収束火線ライフルを撃ったがすべて回避されビームライフルでグゥルを破壊された。
さらにとんだ瞬間に追い討ちに蹴られた。
イザーク大尉は、ユーピテルツヴァイにイーゲルシュテルン撃ったが命中せず逆にバルカン砲で6連装ミサイルランチャーを破壊され飛行不可能になってしまった。
※
ケイト准尉は、支援型ガンダムのビームライフルと散弾銃の攻撃とフルアーマー白兵戦型ガンダムが載るグゥルのミサイルランチャーを回避しながらビームライフルで支援型ガンダムの
グゥルを破壊した。
そして支援型ガンダムがジャンプしたところをベースジャバーからとび蹴った。
そしてベースジャバーに着地するとフルアーマー白兵戦型ガンダムの頭部バルカン砲を回避しつつバルカン・ポッド・システムでフルアーマー白兵戦型ガンダムが載るグゥルのミサイル発射部分を破壊し墜落させた。
※
サオトメは、キラとの戦っていたがその戦法が気になっていた。
(この戦い方では、すぐにバッテリーがひやがる。
どういうつもりだ?)
キラは、ビームソードの出力を最大まで上げて戦っている。
三度つばぜり合いをしたとき至近距離からミサイルランチャーを撃った。
サオトメは、とっさにシールドしたが爆風でバランスを一瞬失った。
※
作品名:機動戦士ガンダムRS 第27話 さだめの楔 作家名:久世秀一