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機動戦士ガンダムRS 第30話 約束の地

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サオトメは、アイリスの行動に注意しながら店内を見回した。
それは、まるで子供が始めて店にきたような印象を持たせた感じだろう。
 アイリスは、お目当ての品の近くに行った。
サオトメも後に続いた。
そこには、各メーカーが販売している化粧品が売ってあった。
「これは、何だ?」
 サオトメは、一見すると同じ商品に見える品のひとつを手にとってアイリスに聞いた。
「それは、洗顔料です。
中には、保湿効果もあるものもりますが」
 アイリスがサオトメに商品の紹介をした。
「男が使ってもそれ相応の効果があるってことか」
 サオトメの言葉にアイリスが驚いた。
「隊長ってこういうのに興味があるんですか?」
 アイリスが怪訝そうにサオトメに質問した。
「そういう意味じゃなくて肌の問題という漠然とした課題の中には、男女という問題は存在しないんじゃないかなと思っただけ」
 サオトメの言葉にアイリスは、納得した。
「私の周りには、女性用化粧水を使った男性がいませんから効果があるのかわかりませんね」
 アイリスは、苦笑しながら答えた。
するとアイリスは、何かに気づいた。
「でも向こうに男性用の化粧水売り場がありますからもしかしたら効果がないのかも」
 アイリスは、男性用化粧品売り場を指差した。
サオトメも納得した。
「それよりもうここでの買い物は、良いのか?」
 サオトメは、アイリスに確認した。
「はい、大丈夫です」
 アイリスがそういうと2人は、会計を済ませた。

       ※

 その後いくつかの店を回り買い物を済ませた。
買い物が終わったころには、既に夕方になっていた。
「どこか寄り道するか?」
 サオトメが提案した。
「はい」
 アイリスも賛成した。

       ※

 2人は、近くのハンバーカーショップに立ち寄るとハンバーガーと飲み物を買った。
「あそこのベンチで食べるか」
 2人は、ハンバーカーショップ近くの公園にあるベンチに座った。
そして2人は、おのおのの商品を開いた。
サオトメがベーコンバーガーでアイリスは、チーズバーガーを買った。
「いただきます」
 そういうとサオトメは、ベーコンバーガーをほおばった。
「どうですか?」
 アイリスが聞いてきた。
「結構辛味が強く出てるな。
パティもスパイシーだしソースもチリソースが使われている。
チーズバーガーは、どう?」
 サオトメは、ベーコンバーガーの感想を述べ今度はアイリスに感想を聞いた。
「はい。
バンズも甘くてふわふわでチーズもとてもおいしいです」
 アイリスがチーズバーガーの感想をいった。
「それじゃあこっちも食べてみるか?」
 サオトメは、そういうと自分のベーコンバーガーを出した。
「はい。
チーズバーガーもどうぞ」
 アイリスも自分のチーズバーガーを差し出した。
「いただきます」
 2人は、相手のバーガーをほおばった。
(チーズバーガーもなかなかおいしいな)
 隣では、アイリスがむせていた。
「だ、大丈夫か?」
 サオトメは、あわててアイリスに飲み物を渡した。
アイリスは、それを受け取ると勢いよく飲んだ。
「そんなに辛かったか?」
 サオトメは、落ち着いたアイリスに質問した。
「辛いですよ。
こんなに辛いものを食べてたんですか?」
 アイリスは、むせながらサオトメに質問した。
「悪い。
俺は、辛いものが平気だから」
 サオトメは、謝るとハンバーガーを交換した。
2人は、その後少々気まずく残りのハンバーガーを食べた。

      ※

 夜サオトメとアイリスは、ドゴス・ギアに戻ってきた。
話のネタのレベルが中学生並みだったのでサオトメは、質問を軽く無視していた。

      ※

 翌日ハワイ基地から特別編成されたコロニー海軍の特別諜報艦隊が出向した。

      ※

 大西洋連邦の首都であるワシントンのホワイトハウスでは、講和条約に関する内容が協議されていたが協議は難航していた。
「譲歩案など今更そんなものを持ち出してどうしようと言うのです」
 ザラ大統領は、講和条約の存在そのものに疑問を持っていた。
「私とて無論これをこのままと言うつもりは、ない。
だが戦えば必ず犠牲は、出る。
回避できるものならその方が良いではないか」
 クライン副大統領は、講和条約の内容よりまずは存在の必要性を訴えた。
「だからと言ってこんな愚にも付かぬ講和条件が飲めるものか。
彼らは、勝った気でいるようではないか」
 エザリア議員は、講和内容を批判した。
「はじめから突っぱねてしまっていては、講話への道などない」
 アイリーン議員は、話し合いの必要性をいった。
「この時期にこんなもの。
下手な時間稼ぎですよ
話し合うと言ってもそれでは」
 しかしヘルマン議員は、講和条約を休戦条約という名の時間稼ぎだと考えていた。
そういうと強硬派議員と温厚派議員が熱い議論になり騒がしくなった。
「では我々は、今後言葉は全て切り捨て銃のみを執っていくと言うのかね?
我々は、そのようなものか」
 クライン副大統領が立ち上がり強硬派に訴えた。
それにザラ大統領も立ち上がった。
「クライン副大統領殿、それはお言葉が過ぎるでしょう。
我々は、総意で動いているのです。
個人の感情のままの発言は、お控えいただきたい」
 クライン副大統領は、内心「お前が言うな」と言いたかったがそれをぐっとこらえた。
「失礼した」
 そういうとクライン副大統領は、着席した。
「貴重なご意見の提示は、有り難く受け取らせていただく。
しかしあとは、我等最高評議会が検討すべきことです」
 ザラ大統領は、形ばかりの感謝を述べた。
「先を見据えた正しき道が選ばれることを祈る」
 クライン副大統領の願いは、それだけだった。

      ※

 特別諜報艦隊の旗艦であるマゼランのブリーフィングルームでは、作戦内容が伝えられていた。
ブリーフィングルームの地図には、アラスカの地図が映っていた。
「アラスカは、核の直撃にも耐えうる構造を持つと言われている。
尤も今は、使えないしコロニー軍は使うつもりもないがね。
陥落させるには、グランドフォローと呼ばれる内部に進攻するしかないがそれもまた至難の技だ。
不用意に手は、出せないから。
アラスカの情報は、常に手にしておかねばならない。
しかし今回この偵察も特務故守秘義務が課せられている。
誰かに冒険譚を聞かせたくとも戦後まで待てよ」
 隊長が皆に任務の重要性を言うと部下たちは、敬礼した。
「情報というのは、どこから漏れるか分かったのもではないの」
 戦争において情報戦は、きわめて重要な要素を持つ。
ゆえに重要機密は、絶対に守らなければならない。

      ※

 アークエンジェルのブリッジでは、ラミアス艦長が1人アラスカからの通信が来るのを待っていた。
すると通信が入った。
「第8艦隊所属艦アークエンジェル、貴艦に通告する」
 ラミアス艦長が立ち上がり敬礼した。
「1800から貴艦への新型モビルスーツ配備とストライクの改造部品の搬入作業が行われる。
新型機は、これまでの常識を凌駕する機体の為専用の整備班も一緒に配属させる。
この旨を現整備班に伝えてほしい。