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飛空都市の八月
飛空都市の八月
novelistID. 28776
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あなたと会える、八月に。

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◆13

 「……間に合ったようだな」
 そう呟くように言うとジュリアスは、ロザリアに向かって真っ直ぐやって来る。
 何に間に合ったと言うの?
 いえ……そんなことより。
 どうして、ここに。
 どうやって、ここに。



 ロザリアが思う間にもジュリアスは、敷いた膝掛けのすぐ近くにまで足を踏み入れてきた。そして、ジュリアスを見つめたままロザリアが、かしゃんと音をたてて置いたランタンを持ち上げた。そしてその側に置かれた鍵を手に取って見ていたようだったが、すぐそれらをロザリアから少し離れた場所に置いた。
 置いて、ロザリアの足許に片膝をつき、ロザリアを見据える。
 秋だから、長袖のシャツにベストを着ていても可笑しくないわね、とロザリアは、どうでも良いことを思ってみる。ジャケットはどうしたのかしら。どこかへ置いてきたのかしら。
 でもどこへ?
 いえ……そんなことより。



 どうして、ここに?
 どうやって、ここに?



 今度こそ口に出してそう尋ねようとしたロザリアの唇を、躰にのしかかるようにしてジュリアスが塞ぐ。いくら多少の草が生え、厚手のものとはいえ敷かれた膝掛け一枚だけの上に躰ごと乗られてロザリアは、背中に地面の固さをもろに感じた。
 しかし、痛い、と言うより先にロザリアは、両腕をジュリアスの背に回していた。回して、しっかりと抱き締めた。
 やがてジュリアスの片手が、ロザリアの着ているガウンの紐を解き、中の寝間着をたくし上げたときロザリアは、ジュリアスが動きやすいように−−触れやすいように−−軽く股を広げて力を抜いた。そのとたん、何もかも知り得たように−−すでに知り尽くしている−−指が、ロザリアの躰の中へと入り込む。
 あれから……たった二ヶ月前。
 けれどもう二ヶ月も経ってしまった。だからこの、中をかき分けられるような感覚が少し、擦れるように痛む。だがその痛みはあっという間に霧散する。
 そして、濡れて潤んでくるのが自分でもよくわかる。その、指が滑<ぬめ>って動く音にロザリアは、もうそれほど恥ずかしさを感じないものの、たぶん今は……たった二本の指で呆気なくここまで温<ぬる>んであふれさせてしまうのが少し癪に障る。
 それでも、ロザリアはジュリアスの指でこの場所を触れられるのが好きだった。もちろん触れられること自体、気持ちが良くて好きだ。今はロザリアの顔の上にあるジュリアスの頭が、情け容赦なく広げさせられた脚の間に入り込んで与えられるものもまたロザリアを高ぶらせるけれど、それよりこうして指で触れながら、ロザリアの反応を見ているジュリアスの顔を見ているのが、ロザリアは好きなのだ。
 峻厳な光の守護聖としての顔は、そこには微塵もない。ただただ、好きな−−きっとそうだと思いたい−−女の、反応のひとつひとつを興味深く見つめ、もっと昂揚させようとする学習意欲に似た熱心さと、そのような女の様子を見ることによって自身が否応なしに欲情させられていくジュリアスという一人の男の、生々しさを垣間見ることができる。
 ただし、そういうひねくれた楽しみは、ロザリア自身がジュリアスを抱くときに見る顔が好きなことと同様、長く続かない。上げていた声がやがて喘ぐことしかできなくなる頃には、指の比ではない強い圧迫感が中に押し入り、ロザリアを追い上げ、追い詰めてしまうからだ。
 そして今もまた、やはりしばらく間の空いたせいで引きつれるような痛みを伴いながらも深く挿し入れられ、それが独特の音をたてつつ幾度となく擦られると、思い出したようにぎゅっと、ロザリアの中はジュリアスを締めつけ、締め上げてジュリアスを果てさせた。
 ぐったりと、力の抜けたジュリアスの躰がロザリアの上に落ちてくる。
 そうしてロザリアはまたこの重みを思い出し、再び覚え直すのだ。



 「あっ……! すまない」
 我に返り、自身に呆れ返りつつジュリアスは、慌てて両腕の肘を立て、両脚の膝もついて自分の躰を浮かせる。そうして躰の下、ロザリアの顔を見る。そのロザリアは、息をしやすいように口を少し開き、まだ余裕なさげに小さく喘いでいる。
 本当はこのようなことをするより先に伝え、言うべき話があった。
 けれど、星明かりの下、淡いランタンの光で浮かび上がるように庭の中にいたロザリアの姿が目に映ったとたん、ジュリアスはその躰を押し倒し、抱いていた。
 そして指を。
 肘を立てたままジュリアスはふと、つい先ほどロザリアの中に入れていた、中指と薬指を見る。
 「……なぁに……?」ロザリアが、ひっきりなしに呼吸する合間に同じくジュリアスの持ち上げた指を見て言う。「その指……」
 何も言わず苦笑してジュリアスが頷くとロザリアは、呆れたような、むっとしたような、そして少し恥ずかしげな……複雑な表情になった。
 「……悪趣味ね」つんとしてロザリアは、ジュリアスから顔をそむけて言う。「わたくしの目の前で……そんな」
 そう言いながらもロザリアの目が、その指をつい見てしまう様子をジュリアスは、なるべく声をたてぬよう笑って見ていた。もっともそれはすぐばれて、ロザリアの顰蹙を買ったけれど。
 「……赦せ、ロザリア」宥めるようにジュリアスは、ロザリアの額の、髪の生え際から髪自体へと向けて撫でつつ言う。「この指は……」
 気になったらしく、再びジュリアスの顔を見上げたロザリアに、ジュリアスは告げる。
 「そなたがまだ六歳のとき……女王陛下以外で初めて私を跪かせ、握った指だ」
 「……え?」
 「幼く、小さすぎてそなたの手は、私のこの、二本の指しか握ることができなかった。それが今では」
 ロザリアの表情が変わる。ジュリアスを見つめるまなざしが潤み、あきらかな欲情の色が滲む。ジュリアスは、このようなロザリアの表情を見るのが好きだ。今ではすっかりジュリアス含め、誰もが認める淑女でありながら、見え隠れするその、生々しさが。
 「……同じそなたの『女』に触れ、中をかき回す−−」
 少し開いた口元から、小さな吐息が漏れる。
 そのとたん、ジュリアスの方が堪えきれず、その吐息を唇で吸い上げる。