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飛空都市の八月
飛空都市の八月
novelistID. 28776
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あなたと会える、八月に。

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◆10

 驚きのあまりロザリアは、何も言うことができなかった。
 だからわたくしは……この、聖地の外にいながら……聖地の中にいる皆様のように……ジュリアスと同い年あたりのまま−−
 「このサクリアの供給についてはパスハ含め、みんなで無視してもらっていたんだけど、やがて一人だけ見咎める人がいて」
 ちらりとアンジェリークはジュリアスを見た。
 「……陛下のサクリアが、妙なところへ集中しているのだ。それぐらいすぐわかる」ジュリアスは言う−−まるで照れ隠しのように。「けれど誰も何も言わないから気になって直接お尋ねしたら」
 「じゃ……ジュリアス」
 ようやく声を出してロザリアは言うことができた。
 「あなた、わたくしの……」
 時が止まったのを知っていて。
 「でも私たちからすればついこの前、よね」ふふ、とアンジェリークは笑う。「私、かなり上手く隠したつもりだったんだけど」
 ジュリアスの前ではこの指輪を嵌めないようにという約束事はこのように、ジュリアスに見つからないようにするための方策だったらしい。
 「……陛下」呆れたように言いつつジュリアスは、穏やかな笑みを見せた−−ロザリアがこの部屋に入るなり見た表情だった。そこには首座の守護聖としての厳しさがずいぶんなくなって−−
 はっ、とロザリアは気づく。
 わたくしの時が止まっていた訳はわかった。
 ならばどうして今、この指輪の、この石を。
 思わず指に嵌めた指輪と、そしてアンジェリークの手の中にある石を見て、ロザリアは、再びぶるぶると、細かく指を震えさせる。
 それは。
 それは−−



 ロザリアの心を読みとったかのように……あるいは、ある意味それは、ロザリアが願ったことが聞こえたせいなのかもしれない。
 アンジェリークは、掌の中の石をゆっくりと、ジュリアスの前に差し出してみせた。
 そして言う。
 「ジュリアスは……どう?」
 ジュリアスは答える。
 「……もう何も……見えません」
 答えてロザリアに視線を移し、見つめつつ言う。
 「……私はもう……守護聖ではないのですから」