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飛空都市の八月
飛空都市の八月
novelistID. 28776
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あなたと会える、八月に。

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◆4

 「ロザリア!」
 「ねえロザリアってば」
 二人の友人をぐいぐいと引っ張っていたロザリアは、テントが見えなくなった辺りで足を止めると、低い声で「何よ」と言った。
 「私はその水着……素敵だとは思うけど」おずおずとミレイユがロザリアの姿を見ながら言った。「でも……ちょっと」
 「でもちょっと、何なのよ」
 「あなたの水着、露出し過ぎじゃないの?」ミレイユの言いたいことを受け継ぐかのようにシルヴィが告げた。そして文句を言おうとしているロザリアに喋らせないように続ける。「でも、だからってあんなお堅い言い方もないと思うわね」
 確かに自分もそう思ってはいたけれど、他人−−それともシルヴィだから?−−から言われるとどうしてこうも腹立たしいのだろうと思いつつも、ロザリアは頷いた。
 「万事、あんな調子なのよ、ジュリアスは!」
 「え、でもあなたのことを心配してくれているんじゃないの?」ミレイユが穏やかに言った。「それにロザリア、お母様が亡くなったこと、彼ってご存じないの?」
 ロザリアの動きが一瞬止まった。けれど、きつい表情のままロザリアは、先程までいたテントのある方向を睨みつけるようにして言った。
 「『品がない』なんて言われる筋合いはないわ! 家族でもないのに」
 ミレイユは、後で言ったこと−−ロザリアの母が亡くなった事柄について−−をロザリアがあからさまに無視するので不審げな顔をした。だがそのとき、シルヴィがぐいとロザリアの手を引いたので、思わずミレイユもロザリアと共にシルヴィの目線の先を見た。
 そこには二人の若い男が立っていた。はだけたシャツから小麦色に日焼けした胸が見えている。両人ともサングラスをかけていたがそれを外し、にっこりと笑ってみせた。