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機動戦士ガンダムRS 第31話 闇の胎動

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「いくらスーパーコーディネーターとは、いってもはじめてみる兵器を認識するにはあまりにも情報が少なすぎた。
結果キラ・ヤマトは、その威力も知らぬまま320mm超高インパルス砲アグニを発射した。
幸いにもガンダムサイガーがシールドしてくれたおかげでヘリオポリス構造体に甚大な被害を及ぼすことは、なかったがこの1撃はサオトメに非常な危機感を与え彼らの再度のヘリオポリス侵攻を促したとも言えよう」
 サザーランド大佐が結果を述べた。
「それは、結果からの推測論に過ぎません」
 フラガ少佐は、あまりの結果からの推測論に立ち上がり指摘した。
「認めよう。
だが君も指揮官として戦場へ出る者なら解るだろう。
君がもし奇襲作戦の指揮官であったとしてそのような敵新型兵器の威力をまざまざと見せつけられそれで見過ごすものかね?」
 サザーランド大佐がフラガ少佐に意地悪な質問をした。
「いえ」
 フラガ少佐は、苦しい表情で答えた。
「反撃は、誤りだったと仰るのですか?」
 ラミアス艦長が思わず質問した。
「そうは、言わないよ。
ただその方法に問題があったということだ。
アークエンジェルの艦長であれば225cm連装高エネルギー収束火線砲ゴットフリートMk.71をコロニー内で使えばどうなるかわかるだろう?
結果ヘリオポリス構造体に甚大な被害を及ぼしヘリオポリス崩壊という最悪の事態を招いた」
 サザーランド大佐の指摘にラミアス艦長は、苦しい表情をした。
「いえ、しかしあの場合」
 フラガ少佐は、一方的な責任の押し付けのように感じ思わず立ち上がり抗議した。
「今は事実確認を行っているのだ、フラガ少佐。
私的見解は、無用に願いたい」
 サザーランド大佐の言葉にフラガ少佐は、しぶしぶ席に着いた。
「しかし君たちの言いたいこともわかる、フラガ少佐、クルーゼ大佐。
君たちは、かつてサオトメとルナツーで戦ったことがある。
彼の力は、ここの誰よりもわかっているだろう。
だからこそあの時ビーム兵器しかサオトメには、効かないと判断したのだろう」
 サザーランド大佐の推測に皆は、反論できなかった。
「しかしだからといってコロニー内でビーム兵器をしかも軍艦の主砲を使うのは、望ましくなかった。
戦争にもルールは、ある。
国民や友軍に君たちの義を見せるためにも君たちには、軍人の鑑になってもらいたい」
 サザーランド大佐の言葉に皆は、自分たちに対する本国の評価の高さを感じた。
「そのため新型モビルスーツも配備された。
この査問会も君たちに重大な過失がなかったことを確認するためのものだ。
では、続けようか」
 サザーランド大佐は、査問会を続けた。

     ※

 フレイは、食堂で食事のトレーを持った。
「これをキラに持ってってくれない?」
 フレイは、トレーをサイに見せるとお願いした。
「俺が?」
 サイは、びっくりした。
その言葉にフレイがうなずいた。
「あの子から告白されたのよ」
 フレイの言葉にサイは、さらにびっくりした。
「だから私にやさしくされると勘違いするからあまりやさしく接してほしくないんだって。
トールがMIAになってからは、なおさら」
 フレイの説明にサイは、どこか納得した。
「あいつは、バカが付くほどやさしいからな」
 サイは、そういうとトレーを持った。
「そういうことなら俺が持っていくよ」
 サイがそういうとフレイも食事のトレーを持った。
「じゃあ私は、ミリアリアに食事を持っていくわ」
 2人は、食堂を後にした。
「キラって最初は、変わった子だなって思ったんだけど今では地球軍のエースね」
 フレイがキラのことを話した。
「うん。
俺もまだ信じられないよ」
 サイは、いまだ半信半疑だった。
「これから私達は、どうなるんだろう」
 フレイは、自分たちの今後を心配した。
「それは、まだわからないけど大体戦場に行かされるよ。
俺たちは、軍人なんだから」
 サイは、どこかの戦場に行くと思っていた。
そのときキラの部屋に着きドアチャイムを鳴らした。
「キラ、食事を持ってきたぞ」
 サイがマイクに向かって用件を話した。

     ※

 シーサー少尉は、チャールズ少尉を探しにリクリエーションルームに来た。
そこにチャールズ少尉がいた。
「チャールズ少尉」
 シーサー少尉がチャールズ少尉を呼んだ。
「シーサー少尉か。
どうした?」
 チャールズ少尉がシーサー少尉に質問した。
「これは、チャールズ少尉のハンカチだろ?」
 そういうとシーサー少尉は、1枚のハンカチを見せた。
それを見るとチャールズ少尉は、ポケットの中を確認したが入ってなかった。
「前にお前が使っているのを見たことがある。
ユーピテルのコックピット内にあったみたいだぞ。
訓練なんかしててコックピットから出る際に落としたんじゃないか」
 シーサー少尉がハンカチを落とした理由を推測した。
「確かに俺のだ。
ありがとう、シーサー少尉」
 チャールズ少尉がシーサー少尉に礼を言った。
「どういたしまして」
「これは、俺のお気に入りなんだ。
そういえばお前は、サイド3出身だったよな?」
 チャールズ少尉は、シーサー少尉に出身地を確認した。
「ああ」
 シーサー少尉が肯定した。
「じゃあこれは、礼だ。
受け取ってくれ」
 チャールズ少尉がシーサー少尉に礼を渡した。
「サイド3限定永久割引券?」
 チャールズ少尉がシーサー少尉に渡したのは、福引券だった。
「それがあればサイド3のどこの店でも使えるぞ」
 チャールズ少尉が福引券の説明をした。
「礼は、俺が生き残ることができるかどうか実力次第ということか」
 シーサー少尉は、少し考えてそういった。
「俺たちなら大丈夫だ。
なんたって俺たちには、サオトメ少佐がいるから」
 チャールズ少尉は、生き残ることに確信を持っていた。
「それなら遠慮なくもらう」
 シーサー少尉は、チャールズ少尉の礼を快く受け取った。
「いい買い物しろよ」
 チャールズ少尉はシーサー少尉の買い物がうまくいくように願った。

      ※

「では、これにて当査問会は終了する。
長時間の質疑応答、御苦労だったな。
アークエンジェルの次の任務は、追って通達する。
ラウ・ル・クルーゼ大佐、ムウ・ラ・フラガ少佐、イザーク・ジュール大尉、ナタル・バジルール中尉以外の乗員はこれまで通り艦にて待機を命ずる」
 サザーランド大佐が査問会を終了させ皆に命令した。
「では、我々はどうすれば?」
 思わずフラガ少佐が質問した。
「この4名には、転属命令が出ている。
明0800人事局へ出頭するように。
以上だ」
 サザーランド大佐が4人に命令した。

      ※

 クーパー中尉は、リクリエーションルームで読書をしていた。
「クーパー?」
 クーパー中尉は、急に声をかけられたので顔を上げた。
そこには、サオトメがいた。
クーパー中尉は、敬礼しようとしたがサオトメは制止した。
「何をしているんだ?」
 サオトメがクーパー中尉に質問した。
「妹から拝借した小説を見ているんだ」
 クーパー中尉は、そういうとサオトメにディスプレイを見せた。
サオトメは、ディスプレイを見た。