機動戦士ガンダムRS 第33話 ハイパー・メガ粒子砲の恐怖
そしてキャットゥス 500mm無反動砲を装備した1機のグゥルに載ったジンをビーム・マシンガンで撃墜し1機のディンをビーム・マシンガンで撃墜した。
※
ドゴス・ギアは、対空砲でミサイルを迎撃しモビルスーツ部隊を取り付かせないようにしていた。
しかしモビルスーツ隊は、グゥルのミサイルを撃ち命中した。
その衝撃は、ブリッジを襲った。
「連装メガ粒子副砲、1番2番沈黙。
艦の損害率が30%を超えます」
ステファニー軍曹が損害を報告した。
その報告にブライアン艦長も驚いた。
「サオトメからの通信は?」
ブライアン艦長は、イワン曹長に質問した。
「取れません」
ブライアン艦長も表情を暗くした。
「撃墜されたのかも」
マーネリー軍曹がそんなことをぼやいた。
「バカ野郎。
少佐に限ってそんなことは、ない。
必ず戻ってくるさ」
チャップ中尉がステファニー軍曹を励ました。
「モーリス少尉とニール少尉が機体を損傷。
帰還します」
マーネリー軍曹が報告した。
「シグマン大尉とサウス中尉です。
補給のため帰還します」
ステファニー軍曹が報告した。
※
母艦の被害は、シグマン大尉とサウス中尉も確認できた。
「私たちも直掩任務に就きましょう」
サウス中尉が提案した。
「ああ、周りに戻るように言おう。
腐っても物量戦がお家芸の地球軍だ。
甘く見たこちらの落ち度だな」
シグマン大尉は、地球軍の物量戦を過小評価していた。
※
2個歩兵連隊の収容が終わった。
「艦隊発進。
アラスカを脱出する」
艦長が発進命令を出した。
マン・マシーン隊もそれに続いた。
※
δ艦隊には、第112遊撃艦隊からの通信が入った。
「艦長、第112遊撃艦隊から入電です」
通信士が報告した。
「読め」
艦長が命令した。
「敵は、アラスカを放棄。
ネェル・アーガマは、ハイパー・メガ粒子砲で基地地下にある自爆兵器を破壊せよとのことです」
通信士が電文を読み上げた。
「ハイパー・メガ粒子砲、発射準備。
目標、アラスカ」
艦長がハイパー・メガ粒子砲の発射準備をすつように命令した。
※
η艦隊に通信が入った。
「艦長」
サオトメからだった。
「状況は、どうだ?」
ブライアン艦長がサオトメに質問した。
「すぐに撤退だ」
皆は、サオトメの予想が当たったことに驚愕した。
「こいつは、とんでもない作戦だ。
敵の守備軍は、一体どういう命令受けてんだ」
サオトメは、作戦のひどさにそう吐き捨てた。
そのときドゴス・ギアは、直撃を受けた。
「本部の地下にサイクロプスが仕掛けられている。
作動したら少なくとも基地から半径10kmは、溶鉱炉になるってサイズの代物だ」
サイクロプスそのものを知らなくてもそれがとんでもない代物だということは、サオトメの言葉から皆はわかった。
「この戦力では、防衛は不可能だ。
パナマからの救援は、来ない」
その言葉にステファニー軍曹が戦慄した。
「やがて守備軍は、全滅しゲートは突破され上層部は施設の破棄を兼ねてサイクロプスを作動させる。
それでこちらの戦力の大半を奪う気だ。
それが敵のお偉いさんの書いたこの戦闘のシナリオだ」
サオトメは、地球軍上層部が思い描いた戦闘のシナリオを推測し説明した。
再びドゴス・ギアは、直撃を受けた。
「そんな」
ブライアン艦長は、驚きのあまりそれしかいえなかった。
「歩兵隊が実際に見てきたんだ。
司令本部は、もう蛻けの殻さ。
残って戦ってるのは、おそらく上層部の都合で切り捨てられた奴等ばかりさ」
サオトメは、守備隊の戦力の正体を推測し説明した。
「彼らは、ここで死ねと?
そう言うことですか?」
チャップ中尉が思わず質問した。
「撤退したことを悟られないように奮戦してな」
サオトメが守備隊の役割を説明した。
「わが軍を誘い込むのが敵の目的だと言うのならそれを妨げるのが俺たちの任務だ」
ブライアン艦長が決断したように言い立ち上がった。
「η艦隊は、これより現戦闘海域を放棄し離脱する。
僚艦に打電。
我ニ続ケ。
機関全速、取り舵、湾部の左翼を突破する。
マーネリー軍曹、艦載機に簡潔にこの内容を打電。
全機に直掩に就くように命令しろ」
言い終わるとブライアン艦長は、座った。
「脱出もかなり厳しいが諦めては、いけません。
私もすぐに合流します」
サオトメの言葉にブライアン艦長は、驚いたがどこかあきらめていた。
「わかった」
そこで通信が切れた。
※
ユーピテル部隊には、先の話が簡潔に伝えられていた。
「基地が自爆?」
「じゃあこいつらは、皆囮だって言うのか?」
やはりパイロットたちの動揺は、すごかった。
皆は、すぐに母艦へと戻った。
※
パイロット待機室にブリッジから通信が入った。
「どうしました?」
シグマン大尉が応答した。
「敵は、アラスカを放棄。
大規模な電磁兵器で自爆します。
η艦隊と遊撃艦隊は、撤退を開始しています。
ユーピテル隊は、安全圏まで直掩についてください」
ステファニー軍曹が命令した。
「了解」
シグマン大尉は、状況を把握した。
※
アラスカ守備隊は、敵が撤退を始めたのを確認した。
「何だ?
逃げこしか?」
「逃がすかよ」
守備隊は、コロニー軍を追撃した。
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再出撃したシグマン大尉は、敵の追撃のしつこさに飽き飽きしていた。
「もうこっちは、撤退するんだ。
見逃してくれたっていいだろうが」
シグマン大尉は、そういうとショットランサーのマシンキャノンでディン2個中隊を瞬く間に撃墜した。
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撤退するη艦隊の前方にギアリング級駆逐艦3隻が待ち伏せをしていた。
ギアリング級駆逐艦は、ミサイルで攻撃してきた。
※
それは、ドゴス・ギアでも確認できた。
「回避、取り舵」
ブライアン艦長の命令でドゴス・ギアは、回避したもののアレキサンドリアが数発命中した。
※
そのとき新手が近づいていた。
「後方よりシグー1機、接近」
ステファニー軍曹が報告した。
その報告に皆は、驚いた。
※
「死神、今日こそ終わりだな」
パイロットは、そういうと76mm重突撃機銃とパルデュス3連装短距離誘導弾を撃った。
76mm重突撃機銃の弾は、回避されたもののパルデュス3連装短距離誘導弾は、命中した。
※
それは、サウス中尉も確認した。
「クソ。
こんな時に」
サウス中尉は、シグーにビーム・マシンガンを2連射撃った。
しかし回避された。
※
「舐めるな。
出来損ないとは、違うんだよ」
パイロットは、死んだ同胞をそう呼ぶと76mm重突撃機銃を撃った。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第33話 ハイパー・メガ粒子砲の恐怖 作家名:久世秀一