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機動戦士ガンダムRS 第34話 復讐者

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ダリル中将は、サオトメが提出した報告書に目を通した。
「これが敵の作戦か?」
 ダリル中将は、サオトメに質問した。
「おそらくは。
守備隊は、何も知らされなかっただろう。
それに地球軍は、わが軍の攻撃目標がアラスカだってことをかなり以前から知っていたでしょう。
でなければ地下にサイクロプスなんて仕掛けなんて出来るわけがありません」
 サオトメは、敵の状況を推測し報告した。
「それで次は、パナマへの攻撃命令だ」
 ダリル中将は、命令書を手に取った。
「攻略部隊は、明1800に出航。
そして5月11日夜明けとともに攻撃を開始せよ」
 ダリル中将は、命令書を読んだ。
サオトメは、それを聞くと敬礼した。
「なお戦闘を行ったη艦隊と第112遊撃艦隊所属兵士は、特に休養してもらいたい。
次が本番だ」
 ダリル中将は、心してかかるようにいった。

              ※

 ドゴス・ギアに戻ったサオトメは、空腹に悩まされていた。
(どうしようかな。
食べようかな?)
 しかしコックは、今休憩中だ。
サオトメは、料理をしたことが無かったため食事を取るか否かを決めかねていた。
「隊長」
 サオトメは、呼ばれたので振り返るとアイリス曹長だった。
「今空腹では、ですか?」
 アイリス曹長は、サオトメの腹の状態を質問した。
「ちょうど空腹に悩まされていたところなんだ」
 サオトメは、素直に答えた。
「そうでしたか。
よかったら私の手料理を食べてくれませんか?」
 それを聞いたアイリス曹長は、安心しサオトメにお願いした。
「え、良いの?」
 サオトメは、驚き質問した。
「はい。
コックにも許可を取ったので一緒に食べていただけないでしょうか?」
 アイリス曹長は、できる理由を答え一緒に食べる許可を求めた。
「こんな俺でよければ良いよ」
 サオトメは、少々戸惑いながらも承諾した。
「じゃあ早速食堂に行きましょう」
 2人は、食堂に向かった。

               ※

 2人は、食堂に着いた。
「すぐに準備するのでちょっとだけ待っていてください」
 そういうとアイリス曹長は、キッチンの奥に行った。
(どんな料理が出るんだろう)
 サオトメの心は、期待と緊張で支配されていた。
「はい、お待たせしました」
 アイリス曹長は、料理を持ってきた。
「サンドイッチなんだ」
 サオトメは、料理を見てそういった。
「はい。
あとから揚げなどもあります」
 アイリス曹長の料理は、充実していた。
「どれもおいしそうだな」
 サオトメは、色々な料理を見てそういった。
「あともう1品あるんです」
 アイリス曹長が持ってきたのは、シチューだった。
「シチュー?
今作ったわけないよね?」
 サオトメは、アイリス曹長がこのシチューをいつ作ったのか非常に気になっていた。
「昨日作っておいたものを今解凍しました」
 アイリス曹長がいつ作ったのか答えた。
(ということは、昨日のうちからこれは計画されていたのか?)
 サオトメは、驚きながらもシチューを食べてみた。
「お味は、どうですか?」
 アイリス曹長は、すごく不安そうに質問した。
「おいしい」
 サオトメは、素直にそう答えた。
「そうですか。
よかった」
 アイリス曹長は、サオトメの感想を聞いてほっとした。
「私の大好物なんです。
喜んでくれてよかったです。
いっぱい食べてください」
 アイリス曹長は、楽しそうに喜んだ。
サオトメは、おいしい料理に笑みを浮かべながら料理を食べた。

                  ※

 キラ大尉は、自室に戻った。
ベッドに座ろうとしたとき床にリップクリームが落ちていた。
キラ大尉は、それを拾い上げた。
スティックの見た目から女性物だということが推測できた。
そして次に自分の部屋に入ってくるであろう女性候補を考えた。
(フレイかミリアリアか)
 キラは、そう結論付けるとまずはフレイの部屋に向かった。

                  ※

 フレイは、少尉に昇進されたのでキラと同じく自室があてられていた。
キラは、フレイの部屋のインターホンを鳴らした。
「あら、キラ」
 フレイが部屋から出てきた。
「これが僕の部屋に落ちてたんだけどもしかしてフレイの?」
 キラは、フレイに自分の部屋で拾ったリップクリームを見せながら聞いた。
「そうよ。
ありがとう。
きっと備品の整理中に落としたんだわ」
 フレイは、キラからリップクリームを受け取りながら落とした経緯を推測した。
「じゃあ、僕はこれで」
 キラは、用事が済んだのでフレイの部屋を後にした。
 キラが自室に戻る途中サイに会った。
「少し時間あるか?」
 2人は、話をするため展望デッキに移動した。
「お前が戦闘で苦しむと俺にもそれが伝わってきてすごくつらい」
 展望デッキに着くとサイは、そうきりだした。
「でもお前は、いつもつらい戦闘を乗り切って俺たちの許へ戻ってきてくれる。
本当に毎度うれしいさ」
 サイの表情は、複雑で苦しくなった。
「でもなんでお前は、そうなんだよ?
違うんだって。
俺なんかとは、違うんだって。
いつもお前を見てると俺は、惨めになってしょうがないよ」
 サイは、うつむきキラに不満をぶちまけた。
しかしキラは、冷静だった。
「一番近くにいる友達が普通にできるのに自分ができなくて情けなくなる。
僕も味わったことがあるからサイの気持ちは、痛いほどわかる」
 その言葉にサイが顔を上げた。
「アスランのこと?」
 サイの質問にキラは、うなずいた。
「アスランは、いつも僕のできないことを平然とできたんだ。
僕は、いつもアスランを頼っていたけど内心嫉妬もあった」
 サイは、黙ってキラの話を聞いていた。
「そんな僕をアスランは、『キラにしかできないことだっていっぱいある』っていって励ましてくれてたんだけど今も見つからないんだ」
 キラは、悲しそうにいった。
「でも見つかりは、しなかったけどそれを他人に言えるようになれた。
サイにしかできないことだっていっぱいある」
 キラは、胸を張ってサイにいった。
「俺にしかできないこと?」
 サイは、そうつぶやきながら考えた。
するとキラは、サイの肩に手を乗せた。
「フレイのことを幸せにしてあげて」
 キラは、どこかあきらめたような表情をしていうと展望デッキを後にした。

                ※

 サオトメは、リクリエーションルームで肩こり用の塗り薬を探していた。
今サオトメは、かなりの肩こりに悩まされていた。
「隊長」
 振り返るとアイリス曹長がいた。
「どうかしたんですか?」
 アイリス曹長は、普段見ないサオトメの苦しそうな表情に驚き質問した。
「今すごい肩がこってるんだ」
 サオトメは、肩を揉みながら今の状態を説明した。
「そうなんですか。
じゃあ私が揉みましょうか」
 アイリス曹長がサオトメに提案した。
それにサオトメは、驚いた。
「こう見えても結構うまく家族からも評判あるんです」
 アイリス曹長が得意げに自慢した。
「そうなんだ。
じゃあお願いしようかな」
 サオトメは、アイリス曹長にお願いした。
「はい。