Wizard//Magica Infinity −6−
筋肉と竹刀が軋む音が身体中に響き渡る。
激痛に負けた俺は右手から竹刀が離れてしまい、続いて受身が取れず派手に地面へと落ちてしまった。
「がっあぁっ…痛ってぇ…」
「前にも言ったわよね?痛がっている暇がある…のっ!!?」
「…まだぁぁ!!」
凛子ちゃんの渾身の一撃が振り下ろされるが空っぽになった頭がそうさせたのか、もしくは自然と防衛反応が働いたのかはわからないが、地面で倒れていた俺は両足で凛子ちゃんの持つ竹刀の手の甲を蹴り飛ばした。
「あっ…しまった!」
「…今だ…今だぁぁ!!」
一瞬、一瞬の隙が出来た。
俺はすぐさま自分の竹刀を持ち、凛子ちゃんの脇腹目掛けて竹刀を振る。
「っ!!」
「あぁぁぁぁぁっ!!!!」
−パシっ…−
彼女の脇腹に入った竹刀は鈍い音をたてる。
周りが静かになり、風の音が耳に自然に入った。
凛子ちゃんの竹刀は綺麗に俺の左肩へと入っていたが、それと同時に俺は彼女の脇腹に一本を入れることが出来た。
「痛っ…はぁ…一本、ね」
「痛てぇぇぇぇっ!!!痛ったぁ…はぁっ…はぁっ…俺の、勝ちだ」
作品名:Wizard//Magica Infinity −6− 作家名:a-o-w