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魔法少女まどか★マギカ~マギカ★parallel~ 第5話

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いつも通りの笑顔を取り戻したリッカは、いつも通りに2人と駄弁りながら学校へと向かった。
誰よりも大切な2人の親友、リッカはその笑顔を守らなければいけないと思った。それが魔法少女としての自分の役目だと自覚した。

『姫乃、さら・・・あなた達2人の笑顔は、私が守るからね・・・。』リッカは心の中でそう呟いた。

学校に到着する。授業を受け、友達と一緒にご飯を食べる・・・。
一見いつもと変わらない日常をリッカは過ごしていた。

終業を知らせるチャイムが鳴る。

リッカはまたも昨日の出来事を思い返していた。結界の中で魔女と傷だらけになりながら孤独な戦いを続ける者たち、魔法少女。
彼女たちが自分と同じような年頃の少女だとは到底思えなかった。願いを一つ叶えてもらったとはいえ、彼女たちの背負っている義務はあまりに大きい。
もし自分が、何か一つ願いをかなえてあげるから魔法少女になれ、と言われても、リッカは断るだろう。そこまでしたいとは思わない。だが、そう思うのは自分が良くも悪くも恵まれているからなのだろう。リッカの今の人生の中で、苦労がまったくなかったわけではないが、それでも大好きな両親と親友に囲まれて何不自由することなく暮らしてきた。自分が幸せに生きてきてない訳がない。だが、あのほむらのような魔法少女は、こんなハイリスクと引き換えにしてでも叶えたい願いがあったのだろう。
だとすれば、それはよっぽどのことだろう。
『今まで・・・良くも悪くも、幸せに暮らしてきたんだなぁ・・・。』
リッカは考えた。自分は、今まで名前も知らない幾多の魔法少女の犠牲の上にあぐらをかいていただけなのではないか、と。
自分の平凡かつ幸せな日常は、魔法少女たちの血の犠牲の上に成り立っていたのではないか、と考えた。
リッカは自分が少し恥ずかしくなった。リッカは教室を見回してみる。クラスメイト達は皆気の合う友人と談笑するなど思い思いの行動をとっている。
『みんなの・・・笑顔を守ること・・・。それが私の仕事・・・。』
リッカは思った。大切な人々の笑顔を守りたい。今こそそんな大切な人々の恩に報いる時だと。それが自分の役目だと。
『これが・・・私に与えられた役目なのかしら・・。』

『何の存在意義もなく存在している人間はいない、人は必ず生まれながらに何かしらの役目を負わされている。』
リッカはこの言葉を思い出していた。この言葉は、リッカが尊敬していた小学校時代の恩師の言葉だった。
何の因果か、偶然『魔法少女』になってしまった訳だが、それはリッカに課せられた「役目」なのかもしれない。リッカはそう思うことにした。
『やれというなら・・・。やってやる・・・。あんな魔女みたいな連中なんかに、私の大切な人々に指一本触れさせてたまるもんか。
魔女なんて・・・私がここから、この世界から、みんな消し去ってあげるわ!』
リッカは再び固く決意したのだった。

午後5時45分。家でリッカはほむらを待っていた。
その時だった(「リッカ。準備はいい?おじゃまさせてもらうわよ。」)ほむらの声が頭に直接聞こえる。

「な、何?ほむら・・・さん?どこにいるのよ。」リッカが驚いて周りを探すが、ほむらの姿は見えない。すると、またリッカの頭に声が聞こえる。
(「緊張しなくていいわ。ほむらでいいわよ。そう言えばまだ説明してなかったわね。これはテレパシー。頭の中で思うだけで会話ができるのよ。あなたもやってみて。」)
そこでリッカも言いたいことを頭の中で思う。
(「ほむら?」)
(「何?お邪魔するわね。」)
ほむらもテレパシーで返す。
(「ちょ、お邪魔するって、か、カギは?」)リッカは驚いてテレパシーで返す。
(「魔法少女に鍵がどうとか、聞いてどうするのよ。それくらい開けられるわよ。やっぱりあなた、面白いわね。お邪魔します。」)
すると、リッカの自室のドアが開く。ほむらが立っていた。
「リッカ、調子はどう?」ほむらは今度は普通に言った。
「大丈夫。いつでも行けるわ。」リッカは頷いた。
「よかった。昨日の今日だから・・・今日から頑張りましょう。」ほむらは安堵したように言った。
「よろしくお願いします。」リッカは頭を下げた。
「それじゃあ行くわよ」
リッカはほむらに連れられ、夜の帳が下りた街に繰り出した。

「こうやってソウルジェムを使って魔女を探すの。ほむらは自分のソウルジェムを指輪から出して手のひらに載せて歩いている。
リッカもそれに倣い、自分のソウルジェムを指輪から出し、手のひらに載せて歩く。しばらくすると、ソウルジェムが明滅し始めた。

「どう?何か感じる?」ほむらはリッカに尋ねる。
「あっ!」リッカは直観的に違和感を感じて、思わず声を上げる。
「何か感じたの?・・・ああ、ここね。間違いがない。あなた、感知能力がかなり高いみたいね。」ほむらが若干感心したように言う。
ほむらがソウルジェムをかざすと、リッカが昨日見たような気味の悪い空間につながる入り口が開く

「リッカ、行くわよ。」
ほむらは言うと、ソウルジェムをかざす。すると、ほむらの体が光に包まれる。次の瞬間にはほむらはグレーと白の制服調の服を纏っていた。
変身するとすぐにほむらは結界に飛び込む。
リッカもソウルジェムをかざす。リッカの体も光に包まれ、フリルのあしらわれた白い清楚な衣装を着た姿になる。
全身に力がみなぎるような気がして、勇気が湧いてきた。
リッカも変身後、すぐにほむらの後を追った。

「どう?怖い?」
ほむらは後ろを歩くリッカを気遣うように言う。
「大丈夫よ!」
リッカは力強く答える。
「いい返事ね。くれぐれも油断しないで。」
リッカの力強い返事にほむらは頷いた。

2人は無言で結界の中を進む。普段は快活なリッカもさすがに緊張して言葉が少なくなっていた。
赤い空に黒い雲が浮かび、けたけたという気味の悪い笑い声が響く結界・・・そんな吐き気を覚えるような空間を突き進んでいく。

「魔女・・・来たわよ。準備はいい?」ほむらが言う。
「・・・はい!」リッカも緊張して答える。はたして向こうには巨大な石の門の姿をした何かが現れた。

石の門は2人の侵入者の存在に気づき、殺気立っているようだ。
石の門から、ヘタクソな落書きのような人のような何かが大量に現れた。それらはゆっくりと攻め寄せてきた。
「使い魔ね。使い魔は魔女に比べると弱いし、グリーフシードを持たないけど、時間がたてば分裂元の魔女と同じ姿になるわ。」
ほむらは大挙して攻め寄せてくるそれらを指さして言った。
ほむらは左手の金色の盾から、金色に光る突撃銃と手榴弾を取り出すと構える。
「魔女を倒せば使い魔も消えるわ。使い魔の数が多過ぎてまともに正面からぶつかるのは得策じゃない。リッカ、わたしが援護するからあなたは使い魔を突破して魔女を!
あなたならできるわ!」
「は・・・はいっ!」
リッカは両刃の大型剣を取り出すと、しっかりと構える。

・・・ドーン!!
ほむらが爆弾で、魔女が張った使い魔の防衛線に穴をあけた。
すかさずリッカはほむらが開いた突破口から、魔女の懐に飛び込んでいく。行く手を阻む使い魔は剣で切り倒す。