機動戦士ガンダムRS 第37話 アスラン
しかしゲタ背負いガンダムは、回避しビームサーベルを持って接近してきた。
サオトメは、それを回避するとあとから接近してきた羽付きガンダムに接近しひざけりをした。
※
シャニ少尉の撃墜は、オルガ少尉も確認した。
「こいつら」
オルガ少尉は、2機にシュラークを撃った。
※
それは、2人も確認し回避した。
「ミサキ中尉、ありがとう。
あれは、δ艦隊で対処する」
マーク少将は、ユーピテルに通信を入れた。
「しかしあれは、ガンダムです。
少将でなければ対処は、不可能だと思われます」
ミサキ中尉は、ガンダムに対抗できるのはガンダムだけであると考えていた。
「君は、δ艦隊の技量を過小評価しすぎだ。
いいか、われわれの目的はあくまで敵国の制圧であってガンダムの破壊ではない。
戦争に勝てればそれでいい。
あれを釘付けにして味方の被害を抑えればそれでいいのだ」
マーク少将は、手段と目的の区別を説いた。
※
サオトメは、羽付きガンダムがビームライフルを撃ってきたのでメガビームライフルで回避した。
そのとき赤い機体が接近してきた。
(なるほど。
目くらましか)
サオトメは、時間差でV.S.B.Rを撃った。
赤い機体が通り過ぎると羽付きガンダムがいたがV.S.B.Rに気づいて急いで回避した。
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遊撃艦隊1個艦隊は、アーガマもどきにミサイル攻撃を行った。
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それは、アークエンジェルも確認しイーゲルシュテルンで迎撃した。
「取り舵、20。
左の艦隊をつぶす」
ラミアス艦長が命令した。
※
デュエルダガーとM1アストレイの混合部隊が1機の接近してくるマールスにビームライフルを撃った。
しかし命中弾は、得られなかった。
そしてデュエルダガーとM1アストレイの多くがビームサーベルでシールドごと切られ撃墜された。
生き残った何機かが反撃しようとしたが離れていた僚機がビーム・キャノンを撃ち遠距離援護をした。
※
「数だけいたって早々やられは、しないわ」
アサギは、そういいながらジュリ機の近くに行った。
「ジュリ」
そういうと一緒に71式ビームライフルで弾幕を張った。
「大丈夫」
ジュリは、そう返した。
※
ウズミ前代表は、黙ってモニターを見て戦況を見守った。
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δ艦隊旗艦であるアドミラル・ティアンムのブリッジでは、艦長のイームズ・チャーリー准将が腕時計を見た。
「そろそろ日没だ」
チャーリー艦長が時間を見てそうつぶやいた。
「そろそろ帰投命令の準備をしますか?」
ブリッジオペレーターのミチコ少尉が質問した。
「頼む」
チャーリー艦長の命令でミチコ少尉は、艦載機に帰投命令を出す準備に入った。
※
オルガ少尉は、1機のマールスにスキュラを撃ったが回避された。
さらにイーゲルシュテルン2を撃ったがシールドで防がれた。
そして肩部ロケット砲で反撃してきたが回避した。
そのとき味方のジン小隊とM1アストレイの小隊が援護に来た。
「邪魔するな」
オルガ少尉は、ジン小隊にシュラークを撃ち全滅させた。
「お前らもだ」
さらにオルガ少尉は、M1アストレイの小隊にもシュラークを撃ち全滅させた。
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それは、マールスのパイロットも確認した。
「あいつは、味方も平気で殺せるのか?」
マールスのパイロットは、無差別攻撃ができる敵パイロットに戦慄した。
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オルガ少尉は、邪魔者を殺すことに歓喜していたがそのとき禁断症状が現れもがき始めた。
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それは、マールスのパイロットも確認した。
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オルガ少尉は、自分の身に何が起きたのか掌握していた。
「畜生、時間切れか。
クソ」
オルガ少尉は、カラミティガンダムを海面にジャンプさせホバー移動で帰還した。
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マールスのパイロットは、突然敵ガンダムが撤退したので呆然としていた。
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それは、ドミニオンでも確認した。
「カラミティ、帰投します。
フォビドゥンは、撃墜されました」
オペレーターの報告にバジルール艦長が驚いた。
バジルール艦長も3機のガンダムが新型機であることは、知っていた。
※
モビルスーツデッキでは、レイダーガンダムとカラミティガンダムの修理と補給が行われていた。
クロト少尉とシャニ少尉は、禁断症状に苦しんでいた。
※
敵量産型モビルスーツを駆逐していたマーク少将にサオトメから通信が入った。
「そろそろ日没です。
敵陣で夜戦は、危険です」
マーク少将は、サオトメの言いたいことがわかっていた。
「そうだな。
オーブの底力を甘く見ていたようだ」
そのときアドミラル・ティアンムが信号弾を撃ったのを確認した。
「撤退するぞ」
マーク少将は、全マン・マシーンに命令した。
マン・マシーンは、次々に帰還した。
※
それは、アークエンジェルでも確認した。
ラミアス艦長は、敵の真意がわからなかった。
※
「サオトメ」
サオトメは、帰還中にマーク少将に呼び止められた。
サオトメは、機体を止めた。
「あの3機の新型ガンダムのうち1機を大破させ1機は、撃墜した」
マーク少将は、自分の戦果をサオトメに報告した。
「おめでとうございます。
さすが少将です」
サオトメは、マーク少将の戦果をたたえた。
「お前もあの3機のガンダムのパイロットがどういうやつらか気づいているんだろ?」
マーク少将は、他人の心を見るように質問した。
サオトメは、自分が感じた感覚を思い出していた。
「はい、気づいています」
サオトメは、嘘偽りなく答えた。
「アドミラル・ティアンムに帰還しろ。
直接会って話がしたい。
お前が戦った2機のガンダムも含めて」
マーク少将は、サオトメに命令した。
※
夕刻生き残ったモビルスーツパイロット、航空パイロットとリニア・タンクパイロットは機体から降り休んでいた。
所狭しと臨時医療所のテントが設立され負傷兵を対応していた。
多くの健全兵は、疲れ切って呆然としていた。
フレイ少尉もストライクアヴェンジャーから降りたが立つことすらままならないほど疲れていた。
フレイ少尉は、座るとため息をついた。
ディアッカ大尉は、バスターガンダムから降りたがまだ余裕だった。
そこにカガリが来た。
「皆、良くやってくれた。
撤退理由は、よく解らないがまたいつ攻めてくるかわからない。
補給と修理作業が行えるものは、迅速に作業に移ってほしい」
カガリが兵士たちに命令した。
それは、キラ大尉とアスラン中佐にも聞こえた。
「行こう」
作品名:機動戦士ガンダムRS 第37話 アスラン 作家名:久世秀一