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機動戦士ガンダムRS 第37話 アスラン

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 キラ大尉とアスラン中佐は、モルゲンレーテ社に向かった。

               ※

 アークエンジェルもドックに入渠した。

               ※

 サオトメは、アドミラル・ティアンムの隊長室でマーク少将と敵ガンダムとそのパイロットについて話をしていた。
「あの3機のガンダムは重白兵戦型、ビーム兵器と実体弾を無力化する突撃型そしてモビルアーマーの戦法を活かした一撃離脱型に分けられます」
 サオトメは、3機のガンダムの特徴について説明した。
「そしてパイロットは、強化人間」
 マーク少将の言葉にサオトメは、うなずいた。
「いやな組み合わせだな」
 マーク少将は、この機体が戦闘における大きな障害になると感じていた。
「しかし1機は、既に撃墜しました。
それにもっと厄介な敵がいます」
 サオトメの言葉にマーク少将が興味を持った。
「それは、何だ?」
 マーク少将がサオトメに質問した。
「羽付きガンダムとゲタ背負いガンダムです」
 サオトメが厄介な敵を話した。
「どういうことだ?」
 マーク少将は、敵の正体を聞いた。
「パイロットは、私を撃墜寸前まで追い込んだアーガマもどきのエースです。
しかもその機体のジェネレーターは、おそらく核でしょう」
 サオトメの推測にマーク少将は、驚いた。
「あの3機との戦闘を見せてもらいましたがあの2機は、あの3機をさらに凌駕するパワーを持っています。
それだけのパワーを従来のバッテリーで実現するのは、不可能だと思います」
 サオトメは、推測の根拠を話した。
「お前の技術的才覚は、コロニー軍でも随一だ。
お前の言葉を信じるとしよう」
 マーク少将は、ため息をついた。
「しかしそうなると本当に厄介だ。
核搭載型モビルスーツが開発できたならば核ミサイルの量産も既に行っているかもしれない。
そうなればやつらは、もう1度コロニー直接攻撃を行ってくるかもしれない」
 マーク少将は、最悪のケースを考えた。
「核ミサイル位ですめばいいのですが」
 サオトメは、含みのある言葉を言った。
「どういうことだ?」
 マーク少将は、詳細を聞いた。
「やつらは、われわれ以上の技術力を持っています。
核を使ったこれまでにないもっと恐ろしい新型兵器が使われる可能性があるかもしれません」
 サオトメの言葉にマーク少将は、戦慄した。

                ※

 乾ドックでアークエンジェル、ドミニオン、タラワ級とスペングラー級が補給と修理を受けていた。
 モルゲンレーテ社では、M1ストレイ、デュエルダガー、ストライクダガー、ストライクアヴェンジャーとバスターガンダムの整備と補給作業が技術者とパイロット総出で急ピッチで行われていた。

                ※

 サオトメは、ドゴス・ギアに戻った。
時間は、既に夜だったがサオトメは夜風をあたりにデッキに出た。
夜なので誰もいなかった。
サオトメは、マーク少将が預かっていた便箋を読むことにした。
(誰からだろう)
 サオトメは、差出人が気になっていた。
差出人を見ると見ず知らずの軍人の名前が書いてあった。
名前からすると男性だった。
(とにかく読むとするか)
 サオトメは、封筒の糊代を破って中の便箋をだし読み始めた。
サオトメは、全部を読むとため息をついた。
(どうしよう?)
 サオトメは、返事を受け入れるか断るか悩んでいた。
「どうかしたんですか?」
 そこにアイリス曹長が来た。
「ああ、アイリス曹長か」
 サオトメは、冷静に対応した。
「それは、なんですか?」
 アイリス曹長は、疑いの目で便箋を見た。
「実は、戦後にペズンに転属してマン・マシーンの教官になってくれってという熱烈コールを受けているんだ」
 サオトメは、便箋の内容をアイリス曹長に説明した。
「いいじゃないですか。
隊長が教官で教えれば戦場でのルーキーの戦死率が下がります」
 アイリス曹長は、まるで自分のことのようにいった。
「でもアイリスは、それでいいのか?」
 サオトメは、不満そうにいった。
「どういうことですか?」
 アイリス曹長は、さっぱり言っていることがわからなかった。
「確かに俺が教えればルーキーの戦死率が下がるだろう。
でもアイリスとは、離れ離れになる。
そうなればアイリスが悲しい思いをしてもそれを取り除くことができない」
 サオトメは、アイリス曹長が悲しむのではと考えると気が気ではなかった。
「な、何を言うんですか。
そ、そんなことありません」
 アイリス曹長は、冷静さを保とうとしたが顔は真っ赤で明らかに動揺していた。
そしてアイリス曹長は、行ってしまった。
サオトメは、1人デッキに残り天を仰いで悩んでいた。

           ※

 δ艦隊旗艦のアドミラル・ティアンムのブリッジでは、イームズ艦長が時計を見ていた。
「もうすぐ夜明けだが出撃準備は、どうなっている?」
 チャーリー艦長は、ミチコ少尉に質問した。
「間もなく全艦出撃準備が整いますが本国は、再三にわたって会談を要請しているようですが返答はないようです」
 ミチコ少尉は、悲しそうな表情で報告した。
「そうか。
でも却ってそのほうがいいかもしれない」
 チャーリー艦長の言葉にミチコ少尉は、驚いた。
「地球軍の支援があるといっても四天王と死神が共闘しても陥落できなかった国だ。
消えてもらったほうが後のためだ」
 チャーリー艦長の言葉に皆は、納得した。

           ※

 ドミニオンでは、クロト少尉とオルガ少尉が禁断症状に苦しんでいた。

           ※

 シグマン大尉とマーネリー軍曹は、ブリーフィングルームで話をしていた。
「戦争が終わったら籍を入れますか?」
 2人は、戦後結婚するかどうか思い悩んでいた。
「シグマン大尉は、私って結婚するのと働くのとどっちが似合うと思いますか?」
 シグマン大尉は、そう聞かれると考えた。
普段オペレーターとして頑張るマーネリー軍曹は、決して悪くない。
そして主婦として家事全般をするマーネリーも悪くない。
シグマン大尉は、想像してみたがどっちも悪くなく甲乙つけがたかった。
「どうですか?」
 マーネリー軍曹は、詰め寄るように質問してきた。
「戦争が終わったら結婚しよう」
 これは、もう答えるしかなくシグマン大尉は素直に結婚の約束をした。
「じゃあ主婦のほうが似合っているということですか?」
 マーネリー軍曹は、返答からシグマン大尉がそう判断したと考えた。
「ああ、とても似合ってる」
 シグマン大尉は、太鼓判を押した。
「夫婦か。
そうなると」
 マーネリー軍曹は、少し考えた。
「今日は、あなたの大好きな麻婆豆腐ですよ」
「おお、これはおいしそうだ」
 マーネリー軍曹の妄想にシグマン大尉も乗った。
「こういうことですか?」
 マーネリー軍曹が質問した。
「そうだな」
 シグマン大尉は、肯定した。
「ほら、軍服の襟が曲がってますよ」
「え、本当?」
 これもマーネリー軍曹の妄想では、あるがシグマン大尉は思わず襟を見てしまった。
「こういうことですか?」
 マーネリー軍曹が質問した。
「そうだな」