君と過ごす何気ない日常
ぼくは
夜になると、二人縁側に並び、月夜を眺める。
常夜灯にした室内を背景に、肩を並べて見上げる月。
今宵は三日月だった。
綺麗だね、そう零したら彼は僕の頭に彼自身の頭をコツリと乗せて、そうだね、と返してくれた。
別に、その言葉に深い意味なんてなかった。ただ、本当に、綺麗で。だから、それをそのまま伝える為だけにシンプルに、そう言っただけだった。
でも、言って、返ってきた言葉と仕草とそれから、その後に向けられた瞳が不思議な色をしていたから。だから。
僕は。
ぼくは
2013/10
作品名:君と過ごす何気ない日常 作家名:とまる