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僕は摂氏36度で君に溶ける

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ハンジの頼みを聞いてやることはできそうにない。リヴァイはエルヴィンに捨てられることを自らすすんで受け入れるなんてできようもなかった。自分はただ、何も考えずにエルヴィンのために巨人を討伐するしかない。許されているのはそれだけだ。愛されることを望むなんてもってのほか。自分は彼の兵器でしかない。その範囲でいかに彼の訳に立つかだ。

リヴァイは暗く深い落とし穴の中で膝を抱えて座り込んだ。
脱出できないその中で、目を閉じて耳を塞いでしまえば、そこが穴の中だと気づかないでいられるかもしれない。無駄な抵抗だと分かってはいても、リヴァイはやらずにはいられなかった。

こんな不毛な恋なんて、知らない方がよかった。
作品名:僕は摂氏36度で君に溶ける 作家名:かん