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Wizard//Magica Infinity −7−

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「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
「何?ほむほむ」

ここは病院。
一人の女の子が待ち合わせをしていたかのようにベンチに座っていた男の人に寄り添ってきた。
男の人は手にドーナッツを持ち、女の子は物欲しそうにその男の人の横に座った。

「ねぇお兄ちゃん、ほむら にもそのドーナッツちょうだい!」
「だめ、ほむほむ は食べちゃだめなんだよ?」
「むぅ~っ!」
「ごめんごめん。でも、ほら。今日も持ってきたよ」
「わぁ~!今日はりんごのあめだぁ~!」

男の人の手の平には沢山の飴玉。
女の子は目を輝かせながらその中の一つを選び、口の中へと運ぶ。

「ねぇお兄ちゃん。今日もお兄ちゃんは病院から出ていかないの?」
「うん。今日も病院の中で一日を過ごすんだ」
「でも、お兄ちゃんはお体なんともないんでしょ?どこも怪我してないよ?」
「ははっ!違うよ ほむほむ。俺はね…心の病なんだ」
「こころ?」
「うん。俺にはね、昔、すっごい昔にね、大好きな友達が居たんだ。だけど、ある日を境に、皆、消えちゃったんだ」
「どうして?」
「うん…遠い、遠いところにいっちゃたんだよ。それからね、俺は前だけ向いて歩いてきた。でも、俺の歩く道には光が無かった。俺は迷子なんだ」
「お兄ちゃん、ほむらよりおっきいのに迷子なの?」
「うん、迷子。それでいっぱいいっぱい…それはいっぱい歩いて辿りついたのがこの病院ってこと…あれから…もう何年経ったのかな」

男の人は一瞬、何かを思い出したのか…悲痛な表情を浮かべた。

「魔法少女のソウルジェムを集めたところで…結局それは彼女達の命を奪ってるってことなんだったんだよな…俺は…やっぱり、絶望を振りまく魔法使いになっちまったってことか…」

「お兄ちゃん?なに?魔法使い?」
「…っ!あ、あぁ!ごめんね ほむほむ。別に気にしなくて良いよ。ほむほむ は今日も検査を我慢できたの?」
「うん!今日は泣かずに我慢できた!」
「そっか、えらいね。ほむほむ」
「だ~か~らっ!私の名前は ほむら!暁美ほむらっ!」
「あ、そうだったね。ほむほむ」
「だから違うってぇ!もうお兄ちゃん絶対わざとでしょ!」

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作品名:Wizard//Magica Infinity −7− 作家名:a-o-w