二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

yamatoへ… ユキバージョン 4

INDEX|4ページ/10ページ|

次のページ前のページ
 

それから毎日森屋と徳山は放課後図書室に来るようになっていた。岡本は毎日来ていたわけじゃないがふたりがユキと一緒に勉強するようになってからは毎日一緒に勉強していた。




  「ユキちゃんのおかげでテストの点数が復活してきたよ。」

かれこれ2週間程毎日勉強していたからか、森屋が今までの切羽詰った表情と一変した顔で話しかけていた。今日の図書室での勉強は終わり、ユキも今日はドイツ語講習がなかったので4人は一緒に寮へ戻るところだった。

  「そう、よかったわ。」

ユキが笑顔で答える。やはり数少ない飛び級の同期。どうしても一緒にいなくてはいけない、と言われるとかなり負担だがこれとそれは全く別。

  「ユキちゃんは土曜日どうしてるの?」

徳山がユキの横に歩きながら並んだ時にこっそり聞いて来た。ユキは緒方の所へ行ってるのは秘密にしていた。

  「うん、土曜日は忙しいのよ。」

ユキが苦笑いで答える。

  「日曜日は?」(徳山)
  「予定はないけど夕方まで勉強してるわ。」(ユキ)
  「じゃぁお礼、って訳じゃないけど日曜日の夜、一緒にご飯食べない?」(徳山)
  「お礼?そんなのいらないわ。だってお互い様でしょう?この先私に苦手なところが
   出てきて徳山さんが得意だったらそれを教えてくれればいいんだし。」

ユキが平然と答える。

  「う~ん、そうじゃなくってさぁ…」

徳山が頭を掻く。

  「まぁとりあえず日曜日の5時、玄関で。」

徳山はそう言うと少し前を歩く森屋の肩を叩いて何やら話し始めた。

  (全く…まぁ寮以外の食事もたまにはいいかも。ファーストフードごかよね。)

一瞬立ち止まったユキだったが少し小走りになって3人に追いつきエアートレインに乗った。








  「調子はどう?」

ユキは緒方の所へ来ていてふたりはランチを食べていた。ユキは寮のランチをテイクアウトして持ってきていた。

  「えぇ、いいです。テストも98点以上をキープしているし。」(ユキ)
  「いくら合格点が高くても90点そこそこじゃ意味がないからね。」

緒方は満足そうにユキを見る。

  「私も役に立っていると思うと嬉しいよ。そうそう、浜崎が心配してたよ。
   トウキョウは治安も悪いし、ってね。まぁユキちゃんが通うところは安全なところ
   ばかりだから大丈夫だ、って言っといた。」(緒方)
  「浜崎先生、ったら…私ももう、中学生なのに…いつまでも小学生だと思って
   いるんじゃないかしら?」(ユキ)
  「まぁこっちは裏路地に入ると結構危ないから。ここまでは裏路地にはいる事なく
   来れるから心配してないけど…昼間だから人通りも多いしね。でも帰りはやはり
   心配だから…浜崎には毎回ステーションまで送ってる、って言ったら安心してた。
   全くお前は“親か?”って思っちゃうね。まぁ最近また飛び級できそうな子を
   見てる、って言ってたからそっちに意識があるみたいでメールも減ったけど
   かなり心配してるから週に一度でいいからメールして近状報告してやってくれな。
   さすがに森さんほどの飛び級する人はいないと思うけど…飛び級って結構人生
   決まっちゃったりするから大人は慎重なんだよ。」

緒方が笑顔で話す。

  「ひょっとして緒方さんも?」(ユキ)
  「そう。だから普通の人より当事者の気持ちは分かるつもり。まぁ森さんほどの
   飛び級じゃないけどさ。」

緒方が笑う。

  「普通の人ができない体験をするのはとても貴重でいい事だと思う。飛び級で
   しっぱいしたら普通の学校に戻ってもう一度チャンスを待つこともできる。
   いいんだよ、人生一度きり、だけどやり直し出来るんだから。」

ユキは遊星爆弾の心配はしていないのか不思議に思った。

  「緒方さんは遊星爆弾の事、考えたりしないんですか?」(ユキ)
  「心配しても…私の力でどうこうなるものじゃない。いづれはここも放射能で汚染
   されてもっと地下に潜るだろう。そしていつか薬も底をついていずれは誰も住め
   ない土地になるだろう。だけどそれを恐れても仕方ない。だったら今できる事、
   まだ先がある、って思って頑張らないとね。」

ユキは緒方の言葉にうなずいた。