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yamatoへ… ユキバージョン 4

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  「そう、元気そうだった?」(徳山)
  「えぇ…元気そうでしたが剛様が家を出て行かれたとおっしゃられて…
   それは寂しそうにしてらっしゃました。…ところで何かお探しで?」

オーナーがユキを視界に入れて尋ねる。

  「あぁ、ちょうどいい所に声を掛けてくれたね。彼女にとてもお世話になったから
   お礼を兼ねて食事を、って思ったんだけどこの服装じゃ入れなくって。だから
   どこかで、って思ってたんだ。」(徳山)
  「さようでございますか…かしこまりました。私どもでご用意させていただき
   ましょう。」

オーナーはそう言うとユキの前に立ち

  「いらっしゃいませ。どうぞお入りください。今、お茶をご用意します。」

ユキは服を買うお店なのに“お茶”に驚いた。そして高そうな服を横目にVIPルームに通される。

  「いらっしゃいませ。」

オーナーに促されるままふかふかのソファーに座りいい香りの紅茶がテーブルに置かれる。その間に店主が従業員になにやら指示をしている。

  「ここの紅茶、おいしんだよ。」

徳山は“いただきます”と言って一口飲んだ。








  「うわぁ…」

すらっとしたユキに良く似合うワンピースを着て試着室から出てきた。徳山は満足そうに頷いている。

  「ユキちゃんは背が高いから何着ても似合うね。」

徳山が嬉しそうに言う。

  「そうですね。まだ身長、伸びそうですね。」

オーナーも嬉しそうに見つめている。ユキは金額がどれだけなのかが分からず笑顔が引きつっていた。試着した時に値段を見ようと思ったのだが値札が付いていなかったのだ。

  「ついでだからこれに合うヒールも頼むね。」

徳山は2杯目の紅茶を飲んでいた。従業員がパンプスを何足も色とりどりの物をそろえる。それをユキが申し訳なさそうに履いてオーナーがあーでもない、こーでもない、とワンピースに合わせている。淡いピンクのワンピースだが決して幼く見えずとてもじゃないが中学生には見えない。パンプスは歩きにくいだろうという事で2㎝ほど高くなっている控えめの物にした。やれやれ、と思ったらお化粧道具を持った女性達がやって来てユキの顔に化粧を施し始めた。お化粧なんてした事ないユキは慌ててしまったがふたりに顔をいじられ一人に髪をいじられて身動き取れない状態だった。




  「お待たせしました。いかがですか?徳山様。」

オーナーが満足気にユキを眺める。徳山もうんうん、と頷く。時間はまだ6時を回ったところ。この1時間で何が起きたのかユキはさっぱりわからなかった。

  「いかがですか?」

ユキは立たされて姿見の前に立った。





そこにはいつもと違う自分が立っていた。




ぼんやりしていると徳山がユキの手を引いて

  「遅れちゃうよ、6時半に予約入れたんだ。じゃぁまた!ありがとう。」

そう言ってユキの手を引いたまま待たせておいたタクシーに乗せる。(化粧が終りそうな頃を見計らって予約した)


ユキは何が何だかわからずタクシーに乗せられた。そして聞こうと思ったらタクシーが止まった。

  (めちゃくちゃ近いじゃない!もったいない…)

ユキは心の中で大きなため息をついた。