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yamatoへ… ユキバージョン 4

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  「じゃぁ一緒に行こうか。コーヒー飲みに行くけど背が伸びて…ほら。」

岡本が自分のズボンの裾を見せた。確かにくるぶしが見える。

  「私達、成長期ですものね。」

ユキが笑顔で話す。

  「そう、そう。ではお供してよろしいでしょうか?」

岡本が笑いながら話すとユキは今まで何を慌てていたんだろうと思い出し笑いをしながら

  「えぇ、よろしくてよ。」

と返事をした。









  「ユキちゃんにはこれが似合うって。」

岡本が自分の服も見ずユキの服ばかり選ぶ。

  「岡本さん、予算を考えて頂けますか?」

ここはかなり高そうなブティック。前に徳山が声を掛けられていた通りだ。さすがにその時ユキが一緒でも今は覚えているはずがない。

 「まぁまぁ…。」

岡本はユキの事などお構いなしにお店に入っては出て、別の店に行く。誰がどう見てもデートにしか見えない。





  「で、ここでおさらい。」

岡本は普通のモールにユキを連れてきた。

  「さっき、ブティックで似合うの想像できただろ?そのイメージに合った服を
   ここから探すんだ。で、似てるのがあればラッキー、みたいな。」

ユキはなるほど、と思った。ブティックで購入すればブランド品だから高いがここのモールなら安い。

  「ふぅん、岡本さんはこうしておしゃれだけど安い服を探してるのね。参考に
   なったわ。」

ユキはにっこり笑うとにこやかに服を自分に当てた。










  「岡本さんは?」

久しぶりに買い物をしてご機嫌のユキは岡本に聞いた。

  「俺?これから見に行くところ。」

岡本はユキの会計を待っていた。

  「そう?じゃぁお返しにお付き合いします。」

ユキがそう言うと岡本は嬉しそうにユキの手荷物を持った。

  「え…いいです、私の荷物ですから。」

ユキは慌てて岡本から袋を取り戻そうとしたが岡本が笑顔で制した。

  「ユキちゃんがどう思ってるかはわからないけどこれって周りが見たらデート
   だからさ…俺にも見栄…があるわけ。だからここはひとつ俺に持たせてくれ
   ないかな。ここでユキちゃんの荷物を一つも持ってなかったら冷たい男、と
   一生言われそうだ。」(岡本)
  「やだぁ、デートだなんて。」

ユキの顔が少し赤くなる。

  「自分たちはそうでも周りは…ね。…っと、ねぇユキちゃん、ちょっとごめん。」

岡本はツイっとユキの荷物を持ったままユキの元を離れた。






  「久しぶりじゃん。」

女性は岡本の肩を叩く。

  「すごい荷物。岡本君にこれだけの荷物を持たせる女子、って…あれ?まぁまぁ
   きれいね。」

その女性はユキから見えないように立って品定めをするようにユキを見た。

  「あの子はそんなじゃないよ。」

岡本はそう言うが勘違いを最初から否定する感じではない。

  「完全デートじゃない。麻衣に言っちゃおう。」

女性の口から別の女性の名前が出てきた。

  「もう随分前に別れてる。」(岡本)
  「そう思っているのは岡本君だけよ?同じような気持ちになってるひと、多いから
   気を付けてね。」

岡本は女性の顔を厳しい表情で見た。

  「そんな顔で見たって全然怖くないわ。まぁ頑張ってね。今医大に通ってるって
   聞いたわ。」

女性は岡本の事を話す。

  「それはどこで?」(岡本)
  「地元じゃ誰でも知ってる話し。そこで今まで付き合った女の子と全部清算する
   つもりじゃないか、って…。音信不通にすればいいんだもんね。」

岡本がため息をつく

  「吉沢さん、すみませんがそんなつもりは全然ないんです。彼女も俺と同じ医大生。
   休みの合間で普段の生活に必要な物を買いに来ただけ。」(岡本)
  「そう。って事はいつもここにいる、ってわけじゃないのね。」

吉沢、と呼ばれた女性は少し上から目線で岡本の事を見ている。

  「トウキョウで岡本君に会った、って伝えておくわね。」

そう言って吉沢は岡本と別れた。






  「誰だったんですか?」

岡本がユキの所へ戻って来た。

  「あぁ、中学の時の先輩。」

少し投げやりな言い方にユキは“珍しいな”と思いながら余り深く考えなかった。何しろ他人の事などどうでもいいのだ。

  「そう、お付き合いされてた方ですか?」

ユキは普段から岡本が中学時代どれだけモテたか、の話をするので良く知っている。

  「いや、その付き合ってた人の親友。女の親友、っておせっかいなんだよな。
   めんどくさい、って言うか…お前の事じゃないだろ?みたいな。」

岡本がとても面倒臭そうに言うのでユキは笑いながら何も言わなかった。