二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

yamatoへ… ユキバージョン 5

INDEX|4ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 

  「すまんな、私みたいなおじいちゃんが来てしまって…実は佐々木から昨日相談が
   来て…久々に森さんに会いたくなったんだ。」

山村の言葉にユキはにっこり笑う。

  「では本題に入ろう…。」

山村がユキの顔を見つめた。

  「あの…実は、進路変更していただきたくて…。」

ユキは二人の顔をきょろきょろ見ながら話し始めた。

  「理由は…飛び級の友達から看護士が少ない、足りない、って聞いて…従軍看護士の
   数がとても少ない、と…。私、そちらに志願したく…。」

ユキが小さな声で二人に言った。小さな声だったが山村と佐々木にはしっかり聞こえていた。

  「森さん…いつ頃から考えていたの?」(佐々木)
  「看護学校の卒業式の日からずっと…今のままだと私は医師になる前にここ、地球で
   暮らしていけてるのか、そっちの方が心配になりました。地球じゃなくても
   ひょっとしたら火星に移住して暮らせるかもしれないけどそしたらきっと医師に
   なるための勉強だって出来るかどうかわからない。だったら一日でも早く医療の
   現場に出るために看護士に方向転換した方がいいんじゃないか、って思ったのと
   看護士は医師、患者、家族と関わりを持ちます。もちろん医師だってもちますが
   患者を担当する数が多いから看護士の仕事の役割はとても大きいと思います。
   医師になるための経験も活かせる、って思ったんです。」

ユキは言葉を選びながら言葉を紡ぐ。

  「お願いします…私を看護学校へ編入させてください。」

ユキは立ち上がりふたりに頭を下げた。

  「森さん、とりあえず席に座ってください。」

佐々木が優しく声を掛ける。

  「そうか…そう言う事か。」

山村も優しく笑っている。

  「早く人の役に立ちたい、って思っているんだね。」(山村)
  「人の役に立てるかどうか…わかりませんが…」(ユキ)
  「医療の現場はきれいごとだけでは済まされない部分が多い。今まで見て来て
   それはよく解っている事だと思う。(ユキが頷く)でも誰もが一生懸命してる
   事で…ふむ…将来中央病院に勤務、ではなく戦艦に勤務しても構わない、という
   事、だな?」

山村が確認するようにユキに聞く。

  「はい、あの、山村さんが以前、私に言ってくれた言葉があって…覚えていないと
   思いますが…医師じゃなければ将来何になりたい?みたいな会話をしたときに
   私がパイロットって言ったんです。そしたら山村さんがパイロットの資格を持つ
   医師もいいじゃないか、って言ってくれたんです。」

山村は少し考えて思い出したらしく

  「校長室でそのような話をした記憶がある。パイロットの資格を持つ看護士か。」
  「しかし…森さんの場合、今更看護学校へ通わなくてもいいのではないですか?
   医療の現場へ足を運んだこともありますし実習も行われています。」

佐々木が山村に提案する。

  「森さん、パイロットの資格、取りませんか?」

山村は佐々木が何を言いたいのかわかったので頷くと佐々木はユキに話しかけた。

  「え?パイロットの資格?ですか?」

ユキは驚きながら聞いた。

  「はい。森さんの場合医療の現場へすぐに出れる状態です。なので週の半分は病院、
   あとの半分は訓練学校へ通われてはいかがでしょうか?」(佐々木)
  「訓練学校?」

ユキが驚きながら二人の顔を見る。

  「実をいうと今まで提案した事ないのですが…まぁドクターヘリってありますよね。
   それのスペース版だと思っていただければ…。ドクターヘリは病院が所有する
   ヘリを操縦しますが森さんの場合、例えば月面基地で事故が起きた場合、自ら
   操縦して医師と看護師を乗せて現場へ行ったり別の戦艦で看護士が足りない
   場合、飛べたり…」

ユキはなるほど、と思う。戦闘中は何が起こるかわからない…もし自分がパイロットとしての資格を持っていたら…絶対にマイナスになる事はないとユキは思った。

  「少しお時間を下さい。相談したい人が一人いるので。」

佐々木でなく山村が佐々木を抑えて言った。

  「森さん、いい眼をしていますよ。九州を出た時と別人のようだ。」

佐々木がそう言うとユキはハッとした。そうだ、あの時は右も左もわからない所へ飛び込むのに不安でいっぱいだった。でも今は違う。自分で自分の道を選んで進もうとしてる…。

  「ありがとうございます。本当にあの時決断してよかった、って思いました。
   あの時拒んだ訓練学校へ通うの、なんかヘンな感じしますが…よろしく
   お願いします。」

ユキは立ち上がり数多を深く下げると二人の前から辞した。