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yamatoへ… ユキバージョン 7

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  「ユキちゃん。」

しばらくして渡辺の部屋から出てきた岡本がユキを追ってきた。

  「岡本さん、お忙しそうで。」

電子カルテを片手にユキが話す。

  「ユキちゃんも。」

岡本が返す。

  「そうよ、私、忙しいの。おかげで毎日くたくた~。」

にっこり笑うユキは充実してる、と言わんばかりだ。

  「今日も日勤が終わったら訓練が待ってるの。」

岡本は自分に向けられる笑顔じゃない事が悔しかった。さっき渡辺の部屋に行ったのも偶然を装っただけ、だ。

  「全然俺と話す時間なんかない?」(岡本)
  「岡本さんだけじゃないわ。今誰とも会う時間取れないぐらい忙しいの。」

ユキは笑いながら話す。

  「今日のランチは?」(岡本)
  「食べないわ。食べない代わりに1時間繰り上げで上がらせてもらうの。」

岡本は食事の時間もとらないユキを心配した。

  「それじゃ体壊すぞ?」(岡本)
  「大丈夫よ、出勤前しっかり食べてるし…終わった後もしっかり食べてるわ。」

ユキの返事に岡本は喰いつく

  「じゃぁそのメシの時間でいいよ、少し話そう。」

岡本が食い下がる。

  「う~ん、いつも一緒にご飯食べる人決まってるからね。無理。」

泊まりでない限りユキは訓練をして帰るがその時は必ず真田と食事をして一緒に帰る。(真田が送って帰る)岡本は心の中で小さくため息をついた。

  「いけない!私今日、小児科もあったんだ!」

ユキは予定表を見て思い出して“じゃぁ”と言うと岡本と別れて走り出した。岡本はその後ろ姿を見送る事しかできなかった。







  「森くん。」

ユキが食事中、めずらしくぼんやりしていたので真田が声を掛けた。

  「あ…はい?」

ユキはすぐに我に返っていつもの笑顔で真田ににっこり笑う。

  「いや…疲れてないか?ほとんど休みなしだろう?」

そんな真田も目の下にクマが出来ていた。

  「私より…真田さんの方が酷い顔してますよ。」

ユキは真田が寝ていないのに訓練に付き合ってくれている事を知っていた。

  「少し…眠った方がいいですよ?」

ユキが心配そうに言う。真田は図星らしくユキの顔を見ない。

  「真田さんが倒れられたら修理工場、部品とか届かなくて大変なんじゃ?」

ユキがもっともなことを言う。

  「大体、あのソファー、真田さんには小さいでしょ?」

ユキがいつも真田の講習を聞く時座るソファーの事だ。

  「きっとおじいちゃんになったら腰が痛くて曲がっちゃいますから。」

ユキは楽しそうに笑う。真田も釣られて笑ってしまった。

  「中央病院はどうだ?」

真田の手の届かない所だ。

  「はい、皆様よくしてくれます。泊まりの時の見回りはちょっと怖いですけど。」

静かな病院を一人で歩くのは肝試し、みたいだ、と言った。

  「何かあったらすぐに連絡するんだぞ?通信機の方にな。」

真田はそう言ってユキを安心させる。

  「はい。」

真田は以前から箱舟計画にユキを乗せようとしていた。まだ艦長も決まっていない地球の一部の人間を乗せて一生地球に戻らず第二の地球を探しながら彷徨う船…。一応戦う設備は整っているがあの遊星爆弾を落としてくる敵に敵うかどうか…地球を飛び立ったはいいが未知の敵と遭遇し敗れる可能性の方が高そうだ…。しかし地球にいてもただ指をくわえて滅びるのを待つだけだ…。間もなく外装は出来上がる。貴重なコスモナイトを使い敵の攻撃を多少はしのげるぐらいに…。着々と乗り込むリストも軍の中で整いつつあるらしい。小学校、中学を繰り上げ卒業して軍の施設にいるもの、もしくはそれに準じる仕事を目指す者を中心にリストは作成されていた。



ユキは真田の時折見せる難しそうな顔を知っている。ただそれは自分にも解決できず真田自身も迷っている所らしいと想像はつく。

  (私じゃ力になれないのね…)

ユキは真田の負担が少しでも小さくなればと思い仕事も手伝っていた。自分にできる事は少ないがユキ自身が真田の負担になっている部分が多い事をよく知っているからこそ少しでも仕事が回るようにしていた。