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yamatoへ… ユキバージョン 7

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  「な?楽勝だろう?」

真田は寮の手前にある食堂でユキと一緒に食事を摂っていた。

  「楽勝、ではありませんが。」

確かにユキの顔にも少し余裕がある。あのGを思えば全く辛い部分はないし動きもスムーズだ。

  「食欲もあるし…大丈夫だろう。艦載機の訓練は日本時間の午前中だ。朝食、
   少し減らしておいた方がいいかもな。」

ユキは今日の気持ち悪さを思い出して“そうします”と頷いた。

  「まだ始まったばかりだが…どうだ?月は。」

真田が聞いて来た。

  「知らない人ばかりでとやかく聞いてくる人がいないからラクです。集中でき
   ます。ずっとここにいたいぐらいです。」

ユキが笑顔で答える。

  「そうだ、今日はやらなかったが明日からの最後の訓練はコスモガンの訓練だ。

   戦闘員ではないが自分の身は自分で護れるようしっかり訓練してくれ。」(真田)
  「了解しました!」

ユキは笑顔で真田に敬礼した。

  「…私、月基地にこんなに人がいると思いませんでした。」

ユキが小さな声で真田に言う。

  「もっと小ぢんまりした感じかなぁ、なんて思っていて。でも誰も知らない、
   って自由でいいな、って思います。看護士になるって決めたのに本当に外野が
   うるさいのなんのって…。」

ユキが食事をつつきながら話す。

  「森くん、提案なんだが…もし順調にライセンスが取れたら中型…そうだな
   巡洋艦ぐらいまでのライセンス取るか?」

真田は小型艇の操縦を見ていて少しもったいないと判断した。もしそこまで操縦出来たら本当に緊急の時ある程度の艦を操縦できることになる。

  「私が?ですか?」

ユキが驚いた顔をして真田を見る。

  「今、女性のパイロットも珍しくない。むしろドッグなどで整備の移動などは
   女性の方が多い。まぁ森くんの場合看護士として乗るから余り必要でないかも
   しれないがものはついで、とも言うし…。」

真田の言葉をユキが飲みこむように聞き入る。

  (真田さんが無理難題をいう事はないはず…)

ユキはそう思いにっこり笑うと

  「訓練の事は全てお任せします。真田さんがそうおっしゃるという事は勝算が
   おありになる、ということですものね?」

ユキは改めて“付いて行きます”をアピールした。











  「ふぅ…。」

コスモガンの訓練を明日からと言われ“ハイ”と言える性格ではないユキはこっそり射撃訓練場へ向かった。身分証明書があれば訓練生は誰でも訓練できる。

一番低いレベルで最初やってみた。基本的な構えとかコスモガンの扱いとかは教わっていたのでとりあえず的にめがけて撃ってみた…が、的中率60%。余りの低さにユキは肩を落とした。

  「こんなじゃ明日真田さんに愛想つかされちゃうわ。」

コスモガンを見つめながらつぶやいていた。

  「キミ、これじゃどこにも配属できないぞ?」

ユキは突然後ろから声を掛けられた。ユキが驚いて振り返る。そこには大柄の戦闘班の制服を着た男性が立っていた。

  「はぁ…。」

ユキはどう返事をしていいか判らず生返事をした。

  「まず脇が甘い。それじゃ撃った瞬間にブレて的を外してしまうぞ。」

武骨な手がユキの二の腕を掴み構えから教え始めた。

  「あ、あの…。」

ユキは断ろうとしたがその男はユキの後ろに回り構えから教え始める。

  「…これで良し…じゃぁ俺は出てるから撃ってみろ。」

男はユキの姿勢を正すとユキの射撃訓練室から出た。





  「うそ…」

ユキは的中率をみて驚いた。さっきは60%だったのに少し教わっただけで80%まで上がっている。その様子をその男が見ていてユキの所へやってきた。

  「どうだ?効果てき面だろう?」

得意気にいう男にユキは素直にお礼を言った。

  「ありがとうございます。構えだけでこんなに変わると思いませんでした。」

しかしユキの笑顔は一瞬で再び難しい顔になった。

  「でも…100%じゃないと生き残れない、って事よね。」

呟くように言ったユキの言葉をその男は聞き逃さなかった。

  「そうだ…常に100%じゃないとダメだ。」

男も厳しい顔になった。

  「あ…言い忘れたな。私は砲手の渡辺だ。毎日この時間にここで射撃訓練を
   している。」

ユキは改めて男の顔を見た。身体は大きくユキの倍はあろうかと言う体だが制服の上からでも筋肉が見える様なそんな感じだった。

  「あ…あの、ありがとうございます。」

ユキが慌ててお礼を言った。

  「疲れてるだろうけど疲れた上に訓練を重ねる事で集中力が切れにくくなるんだ
   もう一回ぐらいやった方がいいと思うけど?」

渡辺はユキにそう言った。ユキは疲れていたが確かに疲れているから、を理由に止めるつもりはなかった。