宇宙戦艦ヤマトのその後 2
「ユキ、びっくりしたぞ?ドッグから出ようとしたら中央病院のスタッフが慌てて入ってきて
ユキが倒れて救急車で運ばれてきたってゆぅてのぉ。エアカーの中で貧血と肘にひびが
入ってると聞いて…ちょうどそこに真田君もいての一緒に行きたいってゆぅて連れて来た
んじゃが…まぁ真田君はお前さんにとって保護者みたいなもんじゃろ?一緒に行っても
許してくれるじゃろうと思って来たんじゃ。」
ユキは黙ってうなずいた
「まぁお前さんのお母さんなら何となく想像できるがな。しかし実家よりここの方が養生
できるってゆーのもなんじゃなぁ…」
佐渡はそう言うと頭を掻いた
「ユキが入院してるって聞いてたら古代を帰さず一緒に連れて来たんじゃがな…」
そこで真田が戻ってきた
「ユキ、南部がホテルの一室提供してくれるって。」
ユキは意味が分からず
「俺のところに来るのは俺自身は一向に構わないがユキは嫁入り前の女性なんだから…
いろんな噂がたっちゃうだろう?」
ユキが真っ赤な顔をするので
「な、で、南部に相談したら南部も今親父さんの経営するホテルに滞在してるんだって。
で、そのホテルは政府関係者くらいしか使わないから部屋が結構空いてるらしい。
ユキの行き先が決まるまで好きなだけいていいって。」
「でもホテルに泊まるなんてそんなお金ないです」
ユキが困った顔で答えると
「お金なんかいらないって。生活班長にはお世話になったから特別に無料で提供します
ってさ。いいんじゃないか?甘えても。」
真田がさらっと返すと
「そうじゃよ、ホテルだったらゆっくりくつろげるだろうしみんなも会いにきやすいじゃろうし
食事だってきっとおいしいぞ?」
佐渡もそう言って勧めるのでユキはそれに甘えることにした
「…真田さん、じゃぁ…お世話になっちゃおうかな…」
そう言った瞬間
「はい、承りました!失礼します」
そう言って南部が息を切らせて仕切りのカーテンを開けて入ってきた
「ユキさん大丈夫ですか?再入院って聞いて速攻飛び出してきちゃいましたよ!」
南部はつってる腕を見て
「それじゃお風呂辛いですよね、ジャグジーのある部屋にしますから!お風呂浸かってその
まま頭もお湯に浸せば頭皮まで洗ってくれるお風呂のある部屋があるんです。そこにしま
しょう。」
南部の勢いに三人は付いて行けずにいたが南部はいたってマイペースでどんどん話を進める
「シェフには鉄分の多い食事を心がけるよう言っておきますよ。」
ユキは古代のいない寂しさから逃れることは出来なかったが思いもよらず真田、佐渡、南部が来てくれてほっとしていた。ほんの一年だったのに家族より近い存在になっていたことに気付いたのだった。
今日のところは地球に戻ってきたばかりということでユキが気を利かせ南部には両親の元へ戻るよう、真田と佐渡には軍の用意した寮に戻るよう言った
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 2 作家名:kei