宇宙戦艦ヤマトのその後 2
「古代、どうする?行くか?」
島の問いに答えられないでいると
「…まったくしょうがないやつだな…父さん車借りてもいい?」
島が寝てる父親に声をかける
「…だめだ…完全につぶれてる。母さんエアカー借りていい?ちょっと用事が出来て…」
島がロック解除のカードを持ってきくと
「お酒飲んだ後だからちゃんとオートで行ってね。」
(オートとはエアカーが自動で目的地まで連れて行ってくれる自動制御運転の事)
了解を得た島は古代の腕を取ると
「ほら、行こう。心配なんだろ?ちゃんと顔見ておけよ。」
そう言って“ちょっと行ってきます”と言って出掛けた
エアカーは1時間ほどして中央病院についた
「えっと…東の8階のC棟…このエレベーターだな…」
二人は入院受け付けをスルーしてそっと入院病棟へ入った。中央病院も軍の施設なので身分証明書があれば病室に入ることが出来た。
「お、ここだ。」
入口に森雪と書いてある。4人部屋のようだが他に入っていないので個室のようなモンだった
「ユキ?」
島が声をかけるが応答がない。島につつかれて古代も“ユキ?”と声をかけたがやはり応答なし
そっとカーテンを開けると固定されてる腕が痛々しい姿だったが反対側を向いて眠っているようだったが古代はそれを確認する前にカーテンを閉じた。
「…寝てるのか?」
小声で島が聞いてきたが古代は“たぶん”としか答えられなかった。寝顔を見るのが怖いのだ
あの冷たい部屋で一人静かに横たえられていたあの時の事を思い出したくなかったのだ
「…そうか…残念だな。どうする?(目が覚めるの)待つか?」
島がそう言ってくれたが古代は静かに首を横に振った
「まぁこのまま朝まで眠るかもしれないしな…お前出勤だろう?とりあえず帰ろうか。」
二人は病室を出て帰路に向かった
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 2 作家名:kei