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宇宙戦艦ヤマトのその後 3

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昨日と同じように仕事中何度かロボットが食事と飲み物を持ってきてくれた。食べてる時は日報を読みながらで、それ以外はずっと入力業務に集中していた。

途中長官が地上の視察や見回りなどで席を外したが出入りの度に席を立たなくてもいいと言ってくれたので仕事に集中して出来た。数回長官が目の前を通ったのは覚えているがお昼を食べてからはあまり記憶がなかった


ふと気付くと昨日と同じ時間になっていた

  (また見舞い行けないな…)

日報と戦没者名簿を引き出しにしまいロックした後端末にもロックをかけて画面を閉じた
司令部を出るとやはり中央病院の方へ足が向いてしまう

気付くと階段を駆け上り昨日と同じようにユキの部屋の前で立ち尽くしていた。

部屋を覗き込むとぼんやり明かりが点いている

  (起きてるのかな)

そう思って一歩病室に入ったところで話声が聞こえて来たのでその先に進む事が出来なくなってしまった

  「…もう、やめてほしいの。ここへ写真を持ってこないで。体調が悪くなりそうだわ。」

ユキの声だった。古代にとって何日かぶりの懐かしい声だったがいつもよりとげのある口調だった

  「何を言ってるの?見るだけでいいって言ってるじゃない。ママのお勧めばかり持って来た
   のよ。仲介に入ってる方からも催促の電話が鳴りっぱなしだし…ママも困ってるの。」

ユキの母らしい。言葉尻にため息が混じっている

  「今日もたくさんお見舞いがきて…世話しないわ。少し遠慮してもらいたいぐらいなのに」

この一言にユキの口調がさらにきつくなる

  「もう、その話はよしてって言ってるじゃない!私はねみんなに会いたいの!ママにそう
   言われたくないわ。もう面会時間過ぎてるんだから帰って。今ならまだリニアあるでしょ?
   それにここは私の元職場でもあるの。看護師さんは同僚だし何でもしてくれるから頼むか
   らしばらく来ないで!」
  「ユキ!お母さんがどれだけ心配したか分かってるの?あなたを待っている地球の人が
   どれだけ苦しんだか分かってるの?自分の事ばかり考えないで!」

母の口調も荒くなってくる

  「じゃぁママはヤマトの中が平々凡々だったとでも思うの?地球も大変だったかもしれない
   けどヤマトだって戦闘の度に同僚の誰かが死んでいく昨日まで、ううん、さっきまで横で
   笑ってた同僚がいなくなってること想像できる?やっと普通の生活に戻れるってゆっくり
   したいって思ってるのに食事する時だってその話ばかり。私は今年二十歳なの。これから
   自分の人生切り開いていくのよ。親の敷いたレールの上なんかいまさら歩けないわ。
   私は今までと同じ様に私は自分のやりたい事をしていくだけ。結婚はママの幸せでしょ?
   ママは結婚して幸せだったかも知れない。でもそれは私にとっての幸せじゃないの。
   お願いだからわかって。」

母の立つ気配を感じて古代は一歩引いた

  「…わかったわ。ママもパパもしばらく来ないから…」

大きなため息と一緒にカーテンが開く気配がしたので古代は急いで今来た非常階段に戻った
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 3 作家名:kei