宇宙戦艦ヤマトのその後 3
「それにな、余り言うなって南部たちにとめられてるんだがユキはいつもお前のことばっかり
みんなに聞くんだと。おまえに会いたくてしょうがない、って顔に書いてあるんだが正面
きってそれを言えないでいる。おまえが忙しいのはユキも承知だろうが…建物は隣だろう
ちょっと息抜きにユキの顔を見に行ってやれ。」
真田は優しい目をしてそう言った
(真田さんもユキの事好きだったんだろうか?)
今までもそう思える節があったが地球に戻ってきてからの真田はさらにそう思える事が増えたような気がしていた。しかし面と向って聞く勇気もない
「…そうですか…ユキの体調はどうなんですか?」
さらに落ちていく自分を悟られないために真田に聞いた
「ひびは大したことないそうだ。宇宙での生活が長かったからひょっとしたらカルシウム不足
のせいかも、って言ってたな。貧血は気を付けてたらしいけど…まぁ聞いただろう?
親子の喧嘩だからどうこう言える立場じゃないんだが病院でも結構…なんだよな。こう
あからさま、と言うかお母さんは俺たちと縁を切らせたいのかもしれん。俺たちの仕事は
誰がどう見てもキケンだからな。」
今までガミラスを倒すことしか考えていなかった古代にとって自分の職業、というものを改めて考えさせられた。
「まぁそれを言ったら安全な仕事なんてない、になるからな。事務職でじっとしてたって通勤
中に事故に巻き込まれたりする可能性だってあるんだから…食事はしたのか?まだ明日
も行くんだろう?さっさと喰って疲れをためないようにしっかり寝ることだ。」
そう言って真田は古代の空のカップを取り部屋から追い出すように出した
「俺はどうしたらいいんだろう…」
今まで訓練に明け暮れてた古代にとって相手が女性となると(ましてや好きな女性)どうしたらいいのか分からなくなっていた。贅沢なことに相思相愛であることは間違いないのに却ってそうだからこそどう気持ちを伝えたらいいのかわからない。
(こんなとき兄さんがいたらちゃんとアドバイスしてくれるんだろうか)
古代は大きなため息をつき肩を落としながら食堂へ向かった
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 3 作家名:kei