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宇宙戦艦ヤマトのその後 4

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真田はとりあえず自分の研究室にユキを連れてきてソファーに座らせた。いつもユキが講習を聞く部屋だ。いつもと同じ部屋なのに、いつもここに来る時は新しい事を学んだり真田がしてる研究の手伝いをしたり…楽しい時間を過ごすことができるのに今はただの部屋にしか見えなかった。

ぼーっとしながら涙を流してるユキに真田は小さなタオルと甘いカフェオレを持ってきてくれた。

  「こぼすなよ、やけどするからな」

ユキは無言で受け取ると涙を拭いたが次から次へと涙が流れてくる

  「…ブランケットもあるから横になりたかったら横になりなさい。」

そう言って真田はデスクに向かい端末と資料を見ながら何か始めてしまった

  (…何も聞かないのかな…)

ふとユキがそう思いながらカフェオレをひとくち飲むと今までの緊張がほぐれたように力が抜けていくのがわかった

  「真田さん…忙しかったんですよね…すみません」

真田は駆逐艦の修繕の進み具合が思うようにいかず何とか資材を集められないかと端末に向かっていたのだった。

  「森くん、何も気にしなくていい。俺は君の先生だから責任がある。すべて私に任せて今は
   何も考えず休みなさい。」

真田の口調はいつもよりももっと優しかった。ユキは“ハイ”としか言えず暖かいカフェオレをすすりながら真田の後ろ姿を見た

  (…こんなお兄さんがいたらいいのに…)

そう思った。強くて優しくて…守ってくれて…それでいて指導は厳しい。

  (お兄さんよりお父さん、って感じかな?真田さん、私より10歳しか離れてないのに…)

そう思ったらちょっとおかしくなってしまってクスっと笑ってしまった

  「森くん、今俺のことみて笑ったでしょ?」

真田は後ろを向いているのにそう言いながら真田も笑っていた

  「だって、真田さんお父さんみたいなんですもん。」

真田が振り返ってユキの顔を見るとまだ涙の筋はたくさん残っていたがいつものユキの顔だった

  「それって全然喜ばしくないぞ?せめて兄貴くらいにしてくれないか?」

真田はそう言って立ち上がると自分のコーヒーをサーバーから取り一口飲んだ

  「まぁ…どっちでもいいけど。」

そう言うと笑って再び端末に向かった
作品名:宇宙戦艦ヤマトのその後 4 作家名:kei